『ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス』~祝福の音色が鳴り響く、吹奏楽の名曲~

『ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス』~祝福の音色が鳴り響く、吹奏楽の名曲~

吹奏楽の名曲シリーズ。

今回は、デイヴィッド・ギリングハム『ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス(With Heart and Voice)』をご紹介します。

『ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス』はどんな曲?

作曲者のデイヴィッド・ギリングハムについて

『ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス』の作曲者は、1947年生まれのアメリカの作曲家、デイヴィッド・R・ギリングハム(David Gillingham)

吹奏楽曲を数多く作っていて、吹奏楽界で非常に人気の高い作曲家です。

『ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス』はギリングハムの代表曲であり、吹奏楽コンクールでもよく演奏されています。

他の作品では『エアロダイナミクス(Aerodynamics)』も有名ですね。

ギリングハムは、社会的な事件や問題をテーマにした楽曲を多く作っています。

ベトナム戦争を題材にした『交響詩「ベトナムの回顧」(Heroes lost and fallen)』、1995年4月19日のオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件の犠牲者に捧げた『闇の中のひとすじの光(A light unto the darkness)』、1999年4月20日のコロンバイン高校銃乱射事件を背景とした『And Can It Be? 神が愛なら、どうしてこんな悲劇が起こるのか』などです。

讃美歌の旋律を引用することも多いです。

作曲家としての活動のほか、ミシガン中央大学で教鞭をとり、ピアノ、オルガン、ユーフォニアムの奏者としても活躍しています。

『ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス』が出来るまで

ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス』は委嘱曲で、米ミネソタ州にあるアップル・ヴァレー高校の創立25周年を記念して作られた楽曲です。

ギリングハムは、同校の芸術への熱意に感銘を受けただけでなく、同校の校歌が自分の好きな讃美歌「Come, Christians, Join to Sing(来りて歌え)」だったことに運命を感じたそうです。

タイトルの「ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス」は、この讃美歌の歌詞の一節である”Let all, with heart and voice, before his throne rejoice.”からとられています。

演奏時間は約9分。グレードは4です。

『ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス』、楽曲のポイントは?

曲は静かに始まります。アップル・ヴァレー高校の創立時の不安げな様子を表現しています。

曲は次第に盛り上がり、冒頭部分が落ち着くと、フルートとユーフォニアムがかけあう美しいソロが現れます。

このメロディーは「使命」の主題として、この後も繰り返し出てきます。

他の楽器も加わって盛り上がり、華やかなファンファーレが終わると、テンポが速くなり、激しいリズムが登場する転換部に。

ここで、アップル・ヴァレー高校の校歌でもある讃美歌の「Come, Christians, Join to Sing(来りて歌え)」のメロディー=「校歌」の主題が奏でられます。

この部分は、新しい学校に命を吹き込む挑戦を表現しています。

ティンパニのソロが繋ぎ、ハイハットが16部音符を刻む次のセクションは、目標と使命に挑戦し続けるアップル・ヴァレー高校の挑戦を表します。

緊迫した雰囲気が続きますが、それもやがて落ち着き、フルートソロによる「使命」のテーマ、そしてトランペットによる「校歌」のテーマが演奏されます。

終盤には変拍子の打楽器ソリもあり、明るく祝福ムード満点の雰囲気の中、2つの主題が奏でられ、輝かしくフィナーレを迎えます。

『ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス』~YOUTUBEで聴ける音源~

洗足学園音楽大学の、ブルー・タイ ウィンド・アンサンブルによる演奏です。

確かな技術をもった音大生による演奏は、とても良いお手本になりますね。

フィルハーモニック・ウインズ大阪、通称オオサカンによる演奏です。

指揮は作曲者であるギリングハムが振っている音源です。

全体的にゆったりとしたテンポで、のびのびとして柔らかい印象の演奏です。

次の段落でCDもご紹介しています。

『ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス』の音源・CDはどこで手に入る?

オオサカン・ライブ・コレクション Vol.4 『ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス』

フィルハーモニック・ウインズ大阪(オオサカン)の、第4回定期演奏会のライブ音源です(2007年10月12日開催)。

ギリングハム本人が来日し、自ら指揮を振った演奏会。

演奏された8曲のプログラムも、全てギリングハム作曲の楽曲です。

ギリングハムがピアノ演奏した『アンド・キャン・イット・ビー?(And Can It Be?)』も収録されています。

ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス:デヴィッド・ギリングハム作品集
演奏:ノーステキサス大学シンフォニックバンド 

9曲を収めたギリングハムの作品集(『アンド・キャン・イット・ビー?』は吹奏楽バージョンとピアノバージョンの2パターンが入っています)。

オオサカンの演奏会のCDと重複している楽曲は、『ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス』、『アンド・キャン・イット・ビー?』、『ノー・シャドー・オブ・ターニング(No Shadow of Turning)』の3曲のみなので、いろいろな楽曲を楽しめます。

「ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス」 土気シビックW.O. Vol.14 With Heart and Voice

土気シビックウィンドオーケストラの演奏です。マリンバ奏者の岩見玲奈氏がゲスト参加しています。

・カウボーイ序曲 (ジョン・ウィリアムズ)
・マリンバとバンドの為の協奏曲「睡蓮の花」 (真島俊夫)
・高度な技術への指標 (河辺公一)
・典礼の舞 (デイヴィッド・ホルジンガー)
・歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より (ピエトロ・マスカーニ / arr. 樽屋雅徳)
・祝典行進曲 (團伊玖磨)
・たなばた (酒井格)

など、さまざまな曲が収録されていますので、他にも気になる楽曲がある方におすすめです。

『ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス』の楽譜はどこで手に入る?

各出版社のほか、Amazonや楽天市場でも購入することができます。

 

演奏会ではもちろん、コンクール自由曲としても人気で、中学校から職場・一般まで幅広く演奏されている『ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス』。

美しい「使命」のメロディー、打楽器の活躍する活発なリズムや変拍子のパートに、感動的なフィナーレなど、聴けば聴くほど好きになる魅力いっぱいの楽曲です。

ぜひ一度演奏してみてくださいね。

 

参考URL:

橋本音源堂 ー ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス
http://h-ongendo1964annex.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-05bb.html

ぽこあぽこ - ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス
http://poco-poco.net/kaisetsu.folda/withheartandvoice.html

吹奏楽仲間にシェアする(・∀・)!