吹奏楽の名曲シリーズ。
今回は、アルフレッド・リードの代表曲の1つである『エル・カミーノ・レアル(El Camino Real – A Latin Fantasy)』をご紹介します。
目次
『エル・カミーノ・レアル』が作曲された経緯は?
作曲者は、お馴染み吹奏楽界の巨匠、アルフレッド・リード(Alfred Reed)。
このブログでもこれまで『アルメニアン・ダンス パート1』、『春の猟犬』を代表曲として紹介してきました。
『エル・カミーノ・レアル』、通称「エルカミ」は、その2曲と並ぶ有名曲といえるでしょう。
2016年に放送された連続ドラマ『仰げば尊し』では、美崎高校(モデルは神奈川県立野庭高校)吹奏楽団がコンクールに出場する際の自由曲として取り上げられ、SNSでも吹奏楽経験者の反応が大きかったですね。
アメリカはジョージア州ロビンズ空軍基地にある第581空軍軍楽隊から委嘱を受けて、リードはこの曲を作曲しました。
「エル・カミーノ・レアル」はスペイン語で「王の道」という意味。
カリフォルニアには、同じ名前の道が多数あり、かつてメキシコから来た修道士たちが布教進出で通った道が、一般的に「エル・カミーノ・レアル」と呼ばれているようです。
(参照:http://www.bandpower.net/soundpark/togashi_sp/07_reed/05.htm)
リードはそれらの街道からインスピレーションを受けたと思われます。
作曲されたのは1984年、初演は翌1985年に空軍基地で行われたコンサートでした。
『エル・カミーノ・レアル』はどんな曲?
副題は「A Latin Fantasy(ラテン幻想曲)」。
3拍子で刻まれる速いリズムと情熱的な曲調が特徴的で、スペインのフラメンコのスタイルが使われています。
急ー緩ー急の典型的な序曲形式。
序盤はとにかくホルンのユニゾンがかっこいいです。王様が乗っている馬のひづめを喚起させるような躍動感を表現したいです。
中間部は曲の半分以上を占めています。哀愁をこめてうたいあげます。オーボエとユーフォニアムのソロを聴かせましょう。
後半は、クライマックスにふさわしい盛り上がり。
パーカッションも非常に映える曲ですね。
グレードは5であり、高校生には少し難易度が高い曲ですが、易しく編曲されているものもあります。
名演の数々を聴いてみよう~YOUTUBEで聴ける音源~
まずは、洗足学園音楽大学のコンサートでの演奏。
音楽大学の講師や教授陣による演奏とあって、聴きごたえたっぷりです。
オーボエソロがとても美しいので、是非聴いてみてください。
N響(NHK交響楽団)の演奏も素晴らしいです。特に中間部の表現力に着目。
ユーフォニアムのソロを吹いているのは、世界屈指のユーフォニアム・ソリスト、外囿 祥一郎(ほかぞの しょういちろう)さんです。
最後に、龍谷大学吹奏楽部の定期演奏会での演奏。
龍谷大学は、吹奏楽コンクールの全国大会に20回も出場もしている強豪団体です(大学の部)。
ここぞ!という部分でのソロやユニゾン、パーカッションも映している丁寧なカメラワークなので、演奏の仕方の参考にもなると思われます。
『エル・カミーノ・レアル』の音源・CDはどこで手に入る?
『吹奏楽オリジナル名曲集』
1994年に発売された、その名の通り吹奏楽オリジナル曲の名曲を詰め合わせた1枚。
1980年代前後あたりに流行した曲が多いのでしょうか?
筆者も知らない曲が多かったのですが、聴いてみると本当に名曲ばかり。
バラエティに富んだ選曲で、TKWO(東京佼成ウインドオーケストラ)、フィルハーモニア・ウィンド・アンサンブルによる演奏も素晴らしいです。
指揮は汐澤 安彦(しおざわ やすひこ)氏。
『エル・カミーノ・レアル』
10人の異なる作曲家の曲が入ったアルバム。選択肢の幅を広げるのにオススメです。
大阪市音楽団と指揮現田茂夫氏による演奏のため、演奏技術はお墨付き。
『リード!リード!!リード!!! 』
リードの曲をたくさん聴きたいのであれば、やはりこのアルバム。
代表曲がしっかり網羅されています。
『エル・カミーノ・レアル』の楽譜はどこで手に入る?
楽譜ネットで購入できます!『エル・カミーノ・レアル』は2,000円以上の楽譜なので、送料無料になります!
原曲は10分前後でグレード5。ロバート・ロングフィールド編曲のものはグレード3.5と易しくなっており、演奏時間も5分弱と半分になります。購入する時はよく確認してみてくださいね。
吹奏楽譜面の多くは楽譜ネットで購入できますので、他の曲で楽譜を探す際にも見てみてくださいね。

難易度が高い分やりがいがあり、何しろカッコいいエルカミ!ぜひ青春時代に1度は挑戦していただきたい1曲です。