吹奏楽の名曲シリーズ。
今回は、レナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein)作曲の『キャンディード序曲(Overture to Candide)』をご紹介します。
『キャンディード序曲』はどんな曲?
作品概要
タイトル:キャンディード序曲(Overture to Candide)
作曲家:レナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein)
編曲者:クレア・グランドマン(Clare Grundman)
演奏時間:約4分半
グレード:6
出版:ブージーアンドホークス(Boosey & Hawkes)
ハル・レナード(Hal Leonard Corporation)
バーンスタインってどんな人?
まず、バーンスタインについてさらっておきましょう。
レナード・バーンスタインはアメリカの作曲家・指揮者・ピアニストです。
ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』の作曲を担当したことでとてもよく知られています。
指揮者としては、今や世界的指揮者である日本の小澤征爾や佐渡裕といった指揮者を育てました。
舞台作品『キャンディード』とは?
『キャンディード序曲』は、舞台作品『キャンディード』で演奏される曲目のひとつです。
舞台作品『キャンディード』は、フランスの啓蒙思想家ヴォルテールの著書である小説『カンディード、あるいは楽天主義説』を舞台化したもの。
リリアン・ヘルマンが脚本を担当し、バーンスタインが作曲したミュージカル(オペラ)です。
裕福な暮らしをし、楽観主義者であった主人公が城を追い出され、世界各地でさまざまな不幸や苦難に見舞われながらも生き延び、離れ離れになった婚約者と再び再会して結婚をするというストーリーです。
実際には、哲学的な内容も含んだ複雑なものです。
1956年に初演されましたが人気は出ず、しかしこの作品に思い入れのあったバーンスタインは、1989年まで何度も改訂を繰り返したそうです。
序曲は特に有名
『キャンディード序曲』はまずオーケストラ作品として編曲され、その後吹奏楽にも編曲されました。
オーケストラ版でも『キャンディード序曲』は人気曲でした。
『キャンディード組曲』という吹奏楽曲もありますが、演奏される頻度が高いのは圧倒的に「序曲」単体だと思われます。
テレビ朝日で休日の朝に放送されている「題名のない音楽会」という番組で、主題歌として流れているのを聞いた方も多いでしょう。
前述の指揮者佐渡裕さんが番組の司会を務めていた期間は、彼自らが指揮した『キャンディード序曲』が使われていたそうです。
『キャンディード序曲』、曲の流れとポイントは?
全体にテンポは速めで、軽快な雰囲気ですすんでいきます。
複雑な変拍子…というわけではないのですが、拍子をとるのが少し難しいかもしれません。
ティンパニの強烈な一打をきっかけに、唐突な印象で始まります。
金管が勢いよく吹いたら、木管がメロディーのターン。
曲は何度も雰囲気を変えつつ展開していきます。
ティンパニやシンバルが打ち鳴らされたと思えば、木管が鋭く応答。
木管が短くソロを吹きつなぎ、ピッコロが可愛らしいソロを吹くと中間部へ。
中間部は木管が流れるようなメロディーを吹き、優雅なハーモニーを奏でます。
中間部が終わると、再び唐突にオープニングと同じ部分が奏されます。
ゆったりと美しい豊かなハーモニーを全体で作り上げたあと、いったん静かになったところから曲は再びテンポアップ。
2拍子で木管と金管が掛け合いながら前へ前へ。ティンパニと低音が付点のようなリズムを刻み、音楽はクレッシェンドしていきます。
そして前半のパートをいくつか繋げ、勢いをゆるめずにエンディングまでひた走ります。
陽気で奇想天外、くるくると表情を変えながら、ドタバタのうちに終わっている…そんな感じの楽曲です。
「序曲」とつくことからもオープニング曲にぴったりですが、アンコールに怒涛の勢いで吹き上げるのもかっこいいかもしれませんね!
『キャンディード序曲』~YOUTUBEで聴ける音源~
シエナ・ウインド・オーケストラ
かっっっっこよ…!!!!!
曲の雰囲気がコロコロ変わる『キャンディード序曲』ですが、全員の高い集中力で1本の曲として音楽がまとまっています。
ラストのテンポアップがすさまじい。このテンポでなぜ崩壊しないんだ!?(シエナだからです)
『キャンディード序曲』の音源・CDはどこで手に入る?
ザ・ベスト 華麗なる吹奏楽
(「ザ・ベスト 吹奏楽の祭典」と収録内容が同じです)
東京佼成ウインドオーケストラの演奏が聴けるベスト集。
『キャンディード序曲』のほかにも、コンクール自由曲として人気、かつ演奏会のメインとして据えられる楽曲も多く入っています。
収録曲:
1.アルヴァマー序曲(バーンズ)
2.吹奏楽のための民話(コーディル)
3.吹奏楽のための第1組曲(ホルスト)I – シャコンヌ
4.吹奏楽のための第1組曲(ホルスト)II – インテルメッツォ(間奏曲)
5.吹奏楽のための第1組曲(ホルスト)III – マーチ
6.アルメニアン・ダンス Part.1(リード)
7.フェスティヴァル・ヴァリエーションズ(スミス)
8.《キャンディード》序曲(バーンスタイン/ビーラー編)
9.リンカーンシャーの花束(グレインジャー)I – リスボン(船乗りの歌)
10.リンカーンシャーの花束(グレインジャー)II – ホークストゥ農園(守銭奴とその召使い:ある地方の悲劇)
11.リンカーンシャーの花束(グレインジャー)III – ラフォード猟園の侵入者(密猟の歌)
12.リンカーンシャーの花束(グレインジャー)IV – 元気な若い船乗り(恋人と結婚するために帰郷)
13.リンカーンシャーの花束(グレインジャー)V – メルボルン卿(戦争の歌)
14.リンカーンシャーの花束(グレインジャー)VI – 行方不明のお嬢さんが見つかった(踊りの歌)
15.交響詩《ローマの松》〜アッピア街道の松(レスピーギ/鈴木英史・編)
『キャンディード序曲』の楽譜はどこで手に入る?
『キャンディード序曲』は、各出版社で取り扱っているほか、楽天市場でも購入することができます。
編曲は、クレア・グランドマン版とW・ビーラー版がよく演奏されていますが、私が調べた範囲では、現在主に流通しているのはクレア・グランドマン版のようです。
とても印象的な楽曲で、オープニングにもアンコールにもぴったりな『キャンディード序曲』。
難曲ですが、びしっと決めた演奏でお客さんを沸かせてみたいですね!
参考URL:
世界の民話・童謡 キャンディード序曲 Candide Overture
https://www.worldfolksong.com/classical/famous/candide-overture.html#:~:text=%E8%88%9E%E5%8F%B0%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%AE%E3%81%82%E3%82%89%E3%81%99%E3%81%98,%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E5%86%85%E5%AE%B9%E3%81%AE%E7%89%A9%E8%AA%9E%E3%80%82
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