『天空への挑戦』~R.W.スミスの「隠れた名曲」~

『天空への挑戦』~R.W.スミスの「隠れた名曲」~

吹奏楽の名曲紹介、今回は『天空への挑戦(To challenge the sky and heavens above)」 をご紹介します。

アメリカの中学生のために書かれた『天空への挑戦』

作曲者はロバート・W・スミス(Robert W. Smith)。本ブログでもご紹介している『海の男達の歌』や、交響曲第1番「神曲」 などの曲で知られるアメリカの人気作曲家。

『フェスティバルヴァリエーション』『華麗なる舞曲』で知られるクロード・トーマス・スミス(Claude Thomas Smith)とは別人です。

曲名からすると中々の難曲なイメージですが、アラバマ州のチャレンジャー中学校のために書かれた曲だそうです。

想像ではありますが、曲名の「チャレンジ」はおそらくチャレンジャー中学校にかけているんでしょうね。

中学生向けに書かれたとあって、難易度としては凄く高いわけではありません。

吹奏楽コンクールでも、高校の部以上で演奏回数の多い『海の男達の歌』や『伝説のアイルランド』や交響曲第1番「神曲」に対して、中学校の部での演奏が多い印象です。

『海の男達の歌』などに比べると知名度は低い印象ですが、キャッチーなメロディーと、目まぐるしく変わる展開で、演奏していてとても楽しく、聴きごたえもある曲で、ロバート・W・スミスの楽曲の中では隠れた名曲、と言えるのではないでしょうか。

『天空への挑戦』はどんな曲?

冒頭はホルンのソリ(Soli)でスタート。

音域、フレーズともに平易ですが、全員で音を外さずに音程をピッタリ合わせるのは、人数が多ければ多いほど迫力と引き換えに、難易度が上がります(笑)

オーボエ、ホルン、木管楽器を中心としたゆったりとしたコラールへが終わると、一転、単調のスピーディーなメロディーへと展開していきます。

このいわゆるメインテーマはテンポは速いですが、フレーズは長め。ブツブツきらずに、長いフレーズ感で歌いこめるかがポイントとなりそうす。

金管が入って、長調になるファンファーレ部分は、一瞬雲が晴れたかのような、明るさ・輝きを表現できるとステキですね。

中間部は4/5拍子。テンポは速いままで、打楽器のリズムをバックに、オーボエのソロと木管楽器がメロディーを奏でます。

ここの打楽器は、気を抜くとモタつきそうなリズムですが、そうなると、曲全体のスピード感が一気に失われるので要注意。

その後、単調のメインテーマに戻り、長調の金管ファンファーレが再度登場、その勢いのまま盛り上がりを増し、フィナーレに突入します。

『天空への挑戦』の参考演奏~YOUTUBEで聴ける音源~

隠れた名曲、と書かせていただいた通り、WEBにはあまり音源が存在しません。

数少ない音源ですが、福島県の一般吹奏楽団、いわき吹奏楽団の演奏をご紹介します。

終始スピード感が落ちず、この曲の魅力が伝わるステキな演奏です。

『天空への挑戦』の音源・CDはどこで手に入る?

コンクールの自由選集に『天空への挑戦』をメインにしたCDが発売されています。

演奏は、東京佼成ウィンドオーケストラです。

『天空への挑戦』の楽譜はどこで手に入る?

ブレーンなど各出版社のほか、楽天市場でも購入することができます。

そんなわけで、『天空への挑戦』を紹介しました。

演奏会では、オープニングにピッタリの曲ではないでしょうか。是非演奏してみてくださいね。

※同じくRWスミスの名曲『海の男達の歌』も是非ご覧ください(・∀・)!

『海の男達の歌』~荒ぶる海の男と吹奏楽~

2017.10.28

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