吹奏楽の名曲シリーズ。
今回は、クラシックとジャズの協演という斬新なとってもカッコいい楽曲、『コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディ(Rhapsody for Concert Band and Jazz Ensemble)』をご紹介します。
『コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディ』はどんな曲?
『コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディ』は、アメリカ空軍軍楽隊(ワシントンD.C.)からの委嘱により、1975年に作られました。
作曲したのは、アメリカの作・編曲家であるパトリック・ウィリアムズ(Patrick Williams)。
映画音楽やテレビ音楽などポピュラー音楽を数多く作曲していて、エミー賞を4度、グラミー賞を2度も受賞しています。
吹奏楽編成用にアレンジしたのは、同じくアメリカの作曲家・アレンジャーのサミー・ネスティコ(Sammy Nestico)。
アメリカ空軍ワシントンD.C.バンドにアレンジャーとして所属していました。
ネスティコはまた、ビッグバンド向けの曲を600曲以上手がけています。
日本でも1998年に土佐女子高等学校が全国大会で演奏して金賞を獲ったのを皮切りに、吹奏楽コンクールでもよく演奏されている楽曲です。
『コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディ』、楽曲のポイントは?
バンドが二組に分かれて演奏する斬新なスタイルで、コンサートバンドとジャズアンサンブルが最初は交互に、次第に混じりあって演奏していくのが特徴の、この楽曲。
曲がガラッと表情を変える面白さを楽しみましょう。
ポップス以外でジャズが組み込まれた楽曲は珍しいですね。
107~などは、Swing Jazz全開でとってもカッコいいです!
ソロ・ソリも多く、2回のアドリブソロ、パーカッションソリ、トロンボーンソロなどが登場します。
24小節×2のアドリブは、楽器も長さも自由に変更して良いとされていて、トランペット、サックス、ピアノ、ビブラフォンを組み合わせている楽団が多いです。
214~などの盛り上がる部分は、音を外さないようにするのが難しいですが、パッションを維持しつつ頑張りたいところです。
『コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディ』~YOUTUBEで聴ける音源~
WISH Wind Orchestraによる演奏。
音楽大学に在籍する学生有志によってつくられた楽団で、さすがの技術の高さです。
ソロはサックスとトランペットの組み合わせです。
出雲市立第一中学校の、2004年(平成16年)第52回コンクールでの演奏。
10月23日、この日最後の団体だった出雲一中の演奏直前に、新潟中越地震が起こったのでした。
地震の直後とは思えない落ち着いた演奏で、見事金賞に輝いた名演です。
ビブラフォンソロが素晴らしい!ドラムや打楽器もレベルが高いです。
『コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディ』の音源・CDはどこで手に入る?
コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディー 土気シビックウインドオーケストラ Vol.10
土気シビックウインドオーケストラのアルバム10作目。
『コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディ』の他には、
・グスターヴ・ホルスト/ 建部知弘 編: 組曲 「惑星」より 木星 ~快楽をもたらすもの
・ジェリー・ゴールドスミス: スタートレックのテーマ
・ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン/ 真島俊夫 編: 不滅のベートーヴェン
といった楽曲が収録されている、多彩なアルバムです。
オーチャードブラス!2017
吹奏楽コンクール界のカリスマ指導者として人気の藤重佳久氏と、プロの演奏家やオーケストラ団員、その演奏家が指名した若手演奏家たちで編成されたバンドとのコラボレーション。
『コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディ』以外の曲目では、
・Bunkamuraオーチャードホール委嘱作品である、鈴木 英史作曲の『オーチャード・ブラス!』
・高昌帥作曲『吹奏楽のための協奏曲』
・I.ストラヴィンスキー作曲/R.アールズ&F.フェネル編曲『組曲「火の鳥」1919年版(THE FIREBIRD)』
などが収録されています。
その他、吹奏楽コンクールでの名演は、Amazon Primeで聴くことができます。
『コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディ』の楽譜はどこで手に入る?
各出版社のほか、Amazonや楽天市場でも購入することができます。
クラシックとジャズの応酬が本当にカッコいい曲です。
アドリブの楽器などを工夫して、自分たちの色を出す楽しさもありますね。
コンクールや演奏会の1曲に、是非検討してみてください!
参考URL:
橋本音源堂 コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディ
http://h-ongendo1964annex.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-34e5.html