吹奏楽の名曲、人気曲、吹奏楽コンクール課題曲編。今回は「課題曲史上最高難度」と名高い名曲、『高度な技術への指標』 をご紹介します。
『高度な技術への指標』はいつの課題曲?
作曲者は河辺公一(Koichi kawabe)、昭和49年度(1974年) 第22回全日本吹奏楽コンクールの課題曲Bです。
ちなみにこの年のその他の課題曲は、
A 吹奏楽のためのシンフォニア(小林徹)
まだ課題曲が2曲しかなかった時代です。
史上最高難度!?『高度な技術への指標』はどんな曲?
『高度な技術への指標』はポップス課題曲の先駆けとも言われており、その題名からは想像できませんが、ポップスの要素が取り入れられており、初めてドラムセットが編成に入った課題曲でもあります。
作曲者の河辺さんによれば「スイング・ジャズの原型のいくつかを組み合わせて作った曲」であり、テンポの自由度も演奏者に委ねられている曲です。
「ポップス課題曲」ということの他に、その難しさがよく知られており「課題曲史上最高難度」といっても過言ではないでしょう。
近年佐渡裕率いるシエナ・ウインドが超高速で演奏して話題となり、広い世代に知られる楽曲となりましたが、初めて聴いた方は「これが課題曲!?」とびっくりされること間違いナシです。当時ネットがあったら、ネット上でも大いに盛り上がったことでしょう(笑)
冒頭、バンド全体のファンファーレで開始。間髪入れずにトランペットパートに、難度の高い高速ハモリパッセージが要求されます(笑)その後高速パッセージは木管楽器へ受け渡されます。この部分ドラムの裏打ちがスピーディーさを失わずに安定感をキープするのがとても大事になります。
その後ホルンのメロディをきっかけに、テンポが落ちスウィング・ジャズのメロディーへ。課題曲とはいえ、ここのサックスを中心としたメロディーパートは自由に歌って吹きたいところです。
その後、またテンポが変わり、ヨコの流れのきれいなメロディーへ。ホルンの裏メロが綺麗に決められるか、が勝負です。この曲はトランペットパートが最も注目されますが、ホルンパートは、パワフルなサウンドと、きれいなサウンドの両方が要求される「影の超重要パート」と言えます。ここが終わるとまたスウィング・ジャズのメロディーに戻りテュッティで盛大に盛り上げます。
そろそろヘトヘト、というところでドラムマーチに導かれ再び冒頭のメロディへ(笑)最後の最後まで力抜くことなかれ。全体の大合奏で盛り上がってフィナーレへ。
冒頭から終曲まで終始盛り上がりっぱなしの最高に楽しい1曲です。
佐渡×シエナの演奏でリバイバルブーム到来~YOUTUBEで聴ける音源~
1974年というかなり昔の課題曲ですが、佐渡×シエナの超高速演奏で近年一躍脚光を浴びます。スピーディーかつ躍動感があり、何より指揮者も奏者も楽しそう!さすがプロという素晴らしい演奏です。
当時の吹奏楽コンクールの演奏としては『高度な技術への指標』を演奏して、中学の部で唯一の金賞を受賞した西宮市立今津中学校が有名です。高校の部ではこの曲を演奏しての金賞受賞は0校だったというから驚き。そもそも中学生がこの曲に挑むことだけで脱帽です。
もう一つよく知られているのが、冒頭からスウィングで演奏した阪急百貨店吹奏楽団。当時関西大会の審査員をしていた岩井直溥が最高点を付け、冗談半分で「だけど、これ、違反じゃないの?」と審査用紙に書いたそうです。(※wikipedia 高度な技術への指標を参照)
『高度な技術への指標』の音源・CDはどこで手に入る?
佐渡裕×シエナ・ウインドのCDに収録されており、amazonと楽天で購入できます。
AmazonMusicでのダウンロードも可能です!1曲だけ購入も可能。
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超名門吹奏楽部として有名な、精華女子のCDにも収録されています。
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『高度な技術への指標』の楽譜はどこで手に入る?
ティーダ出版から出版されています。
Amazonや楽天市場でも購入することができます。
さて、そんなわけで、『高度な技術への指標』を紹介してきました。演奏会でやるなら1曲目か、自信があって高速でできるならアンコールで演奏されたらシビれますね!挑戦するのにも中々勇気がいりますが、是非演奏してみてくださいね!
※『高度な技術への指標』もランクイン!歴代課題曲ランキングベスト10も是非ご覧ください(・∀・)!