『音楽祭のプレリュード』~リードの初期作品にして至高の吹奏楽曲~

音楽祭のプレリュード

吹奏楽の名曲シリーズ。

今回は、アルフレッド・リードの『音楽祭のプレリュード(A Festival Prelude)』をご紹介します。

『音楽祭のプレリュード』はどんな曲?

作品概要

タイトル:音楽祭のプレリュード(A Festival Prelude)

作曲家:アルフレッド・リード(Alfred Reed)

演奏時間:約4分30秒

グレード:4

出版:ハル・レナード(Hal Leonard)

リードの最初期作品

『音楽祭のプレリュード』は、アメリカのオクラホマ州Enidで毎年5月に行われる、「トライ・ステート・ミュージック・フェスティヴァル」の25周年を記念して、1957年に作曲されました。

初演はリードの指揮、フィリップス大学吹奏楽団の演奏で行われました。

1970年のコンクール課題曲に

日本では、1970年の全日本吹奏楽コンクールで課題曲になりました

1970年の課題曲は、中学部門がG.ヘンデルの『オラトリオ「サムソン」序曲』、それ以外の部門が『音楽祭のプレリュード』でした。

ですが、この年以前にも多数の学校・団体が『音楽祭のプレリュード』を自由曲として演奏していたのです。

この曲の人気ぶりがうかがえるエピソードですよね。

『音楽祭のプレリュード』、曲の流れとポイントは?

シンバルの一打とともに金管のファンファーレが鳴り響き、曲が幕をあけます。

ファンファーレが終わり、木管がメロディーを奏でて金管が呼応する壮大なテーマ。この旋律がメインテーマで、曲中に何度も登場します。

トランペット群が3連符で上昇し、反対に低音が下がっていく部分はワクワクしますね!

盛り上がりが静まったあと、中間部で木管によって静かに優しく奏されるフレーズも、メインテーマの変奏です。

少し不穏な様子のミュートトランペット→木管とメロディーを演奏して、だんだん盛り上がっていき、再びの山場が形成されます。

行進曲のようなパートに続き、木管、そしてトランペット群が爽やかにメインテーマを吹き、3連符のファンファーレが再び登場。

テンポを落として華々しく吹き上げられる、エンディング。

5分弱という短い曲でありながら、表情やテンポが次々と移り変わります。

いくつかのキーとなるフレーズが形を変えて何度も登場するので、そこに注目しながら聴くと、この曲の奥深さがわかります!

『音楽祭のプレリュード』~YOUTUBEで聴ける音源~

音の輪ウインド・シンフォニカ

音の輪コンサートは、1989年にリードを終身名誉音楽監督に迎えて発足しました。

リード亡き後も汐澤安彦氏や伊藤透氏が指揮を振り、有志のメンバーで演奏会を開催しています。

A.リード 音の輪コンサート
http://www.otonowa.net/

埼玉県中学校選抜吹奏楽団 第5期生

アンサンブルリベルテの演奏会にゲスト出演した埼玉県中学校選抜吹奏楽団の演奏(2016年)。

しっかりまとまっていて、迫力もあり、素敵な演奏です!

『音楽祭のプレリュード』の音源・CDはどこで手に入る?

Avex Classics
¥2,775 (2025/04/01 19:08:51時点 Amazon調べ-詳細)

マルタニズム

東京佼成ウインドオーケストラと、故 丸谷明夫先生のタッグ。

2012年4月に普門館で行われた演奏会のライブ音源です。

淀川工科高等学校吹奏楽部を全国常連校に育て上げた丸谷先生。

『音楽祭のプレリュード』だけでなく、大曲『リンカーンシャーの花束』、淀工十八番の『大阪俗謡による幻想曲』など、聴きごたえたっぷりの一枚になっています。

【収録曲】
1. 音楽祭のプレリュード/アルフレッド・リード
2. 高度な技術への指標/河辺公一
3. リンカーンシャーの花束/パーシー・グレインジャー (F.フェネル校訂)
I. リスボン(船乗りの歌)
4.  II. ホークストウ農場(守銭奴と下僕:田舎の悲劇)
5.  III. ラフォード公園の密猟者(密猟の歌)
6.  IV 活発なる若い水夫(真実の愛に目覚めた者)
7.  V メルボルン卿(戦争の歌)
8.  VI. 行方不明の夫人発見(踊りの歌)
9. 祝典序曲/ドミトリー・ショスタコーヴィチ(編曲:上埜 孝)
10. 大阪俗謡による幻想曲/大栗裕
11. アルメニアン・ダンス Part I/アルフレッド・リード
12. 陽はまた昇る/フィリップ・スパーク
〜2011年3月に起きた日本の地震と津波の被災者のために

オール アルフレッド・リード プログラム~東京藝大ウィンドオーケストラ第91回定期演奏会ライヴ~

東京藝大ウィンドオーケストラ、第91回定期演奏会(2021年7月)のプログラムは全曲、生誕100周年を迎えたアルフレッド・リードの作品でかためています。

『音楽祭のプレリュード』、『アルメニアン・ダンス』という超有名曲から、あまり耳にしない『魔法の島』、『北国の伝説』といった楽曲まで、こだわりの選曲がされています。

リードの新たな魅力が発見できそうな一枚です。

【収録曲】
作曲:アルフレッド・リード
1.音楽祭のプレリュード [4:08]
2.吹奏楽のための第6組曲
Ⅰ.マーチ・ミニチュア [3:01]
3. Ⅱ.夏の散歩 [4:08]
4. Ⅲ.ハロウィーンのお化け [2:48]
5. Ⅳ.阿波踊り [2:59]
6.魔法の島 [9:30]
7.パンチネルロ [7:42]
8.北国の伝説 [8:40]
9.アルメニアン・ダンス(全曲)
第1楽章[パートⅠ] [11:30]
10.第2楽章[パートⅡ第1楽章]:農民の訴え「風よ、吹け」 [5:01]
11.第3楽章[パートⅡ第2楽章]:クーマル(結婚の舞曲) [5:08]
12.第4楽章[パートⅡ第3楽章]:ロルヴァ・ホロヴェル(ロリの歌) [8:48]
13.ヴィヴァ・ムジカ! [4:13]

『音楽祭のプレリュード』の楽譜はどこで手に入る?

各出版社のほか、楽天市場でも購入することができます。

 

リードの初期作品ながら、現在もとても人気の高い楽曲『音楽祭のプレリュード』。

リードの自信作、これからもたくさんの団体に演奏されていくことと思います!

 

参照URL:

橋本音源堂 フェスティヴァル・プレリュード (音楽祭のプレリュード)A.リード音の輪コンサート
http://h-ongendo1964annex.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-6646.html

 

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