吹奏楽の名曲シリーズ。
今回は、ドラクロワの名画を題材に作られた楽曲、『民衆を導く自由の女神』をご紹介します。
『民衆を導く自由の女神』はどんな曲?
作曲は樽屋雅徳さん。
以前に記事にした『マゼランの未知なる大陸への挑戦』や、『マードックからの最後の手紙』『絵のない絵本』など人気の高い吹奏楽曲を多数生み出している、現代日本の吹奏楽界のヒットメーカーです。
『民衆を導く自由の女神』も、樽谷作品の中でも人気・知名度の高い楽曲の1つです。
絵画「民衆を導く自由の女神」と七月革命について
吹奏楽曲『民衆を導く自由の女神』は、フランスの画家ウジェーヌ・ドラクロワによって描かれた同名の絵画をもとに作られた作品です。
絵画「民衆を導く自由の女神」は、19世紀フランス、1830年7月に起こった七月革命をモチーフにしています。
当時のフランスは、王政復古によりブルボン朝が復活、フランス革命以前の政治に逆戻り。
貴族や聖職者を優遇する政策をとったり言論弾圧をおこなったりして、市民の不満は高まっていきました。
7月27日、学生や労働者らが蜂起し、宮殿や市庁舎を相次いで占領。
7月30日には、国王は内閣の交替を決定しイギリスに亡命、ブルボン王朝は倒されました。
革命の成功をおさめたこの3日間の戦いは、「栄光の3日間」と呼ばれるようになりました。
絵画の中心に描かれている、フランス国旗を掲げている女性は「マリアンヌ」と呼ばれていて、実在した人物ではなく、フランスを象徴する女性像とされています。
絵画をもとに作られた吹奏楽曲『民衆を導く自由の女神』も、革命の展開に沿って構成された楽曲となっています。
絵画をじっくり見たり当時の歴史を学ぶことで、曲への理解や表現を深めることができそうです。
『民衆を導く自由の女神』、楽曲のポイントは?
グレードは4と難易度はそこまで高くない一方で、曲をしっかり表現するためには技術も必要であることから、小学校から社会人バンドまで幅広く演奏されている楽曲です。
革命の展開に沿って構成された楽曲なので、情景を思い浮かべながらメリハリの効いた演奏ができるといいと思います。
楽曲は大きく6部に分かれており、「力強い民衆のテーマ」~「女神の神々しいテーマ」~「革命:蜂起」~「革命:喧噪、終結」~「女神のテーマ:再現」~「終結部:革命の成功」という流れ。
冒頭からBは暴動を起こす前、団結していく様子や緊張感が、Cからは暴動が始まり激しさを増していく様相が、Hからは暴動の終わりと輝く未来が描かれます。
曲の目玉の一つは、Hのユーフォニアムから始まる優しいソロ。
そのソロは他の楽器へと受け継がれ、あたたかなハーモニーのエンディングへと繋がっていきます。
このメロディーは、Aから形を変えて繰り返された「女神のテーマ」の再現ですね。
打楽器は、出版社ホームページに記載されている8つのほかに、ブレーキドラム、ウインドチャイムも使用されます。
ブレーキドラムは、金づちや金属製のスティックなどを使って、両手で演奏している楽団が多い印象です。
『民衆を導く自由の女神』~YouTubeで聴ける音源~
航空自衛隊西部音楽隊の演奏。
リタルダンドがたっぷりかかり、Hからエンディングもゆったりしたテンポで聴かせる、堂々としたとても素敵な演奏です。
こちらは、福岡県の嘉穂高等学校吹奏楽部の演奏。
嘉穂高等学校は、1980年代には全国の常連でもあった強豪校です。
キレのあるクレッシェンドがいいですね。
『民衆を導く自由の女神』の音源・CDはどこで手に入る?
「樽屋雅徳 作品集Vol.2 〜ラザロの復活〜」
Amazonでも購入できるこちらのCDは、表題作の『ラザロの復活』、『民衆を導く自由の女神』のほかに、『星の王子さま』、『ノアの方舟』、『フォスター・ファンファーレ 』など10曲が収録されたアルバム。
自衛隊音楽隊、土気シビックウインドオーケストラ、龍谷大学学友会学術文化局吹奏楽部、宝塚市吹奏楽団など様々なバンドが演奏していて、『ゲルダの鏡』は市立柏高校のライブ演奏です。
樽屋作品をたっぷりと堪能できる聴きごたえのある作品集、オススメです!
『民衆を導く自由の女神』の楽譜はどこで手に入る?
CAFUAレコードのサイトでレンタル楽譜を申し込めますので、チェックしてみてください。
https://www.cafua.com/products/detail522.html
『民衆を導く自由の女神』をご紹介しました。
ストーリー性が高く、演奏すれば長く心に残る、素敵な楽曲です。
ぜひ演奏してみてくださいね。
参考URL:
CAFUAレコード 「民衆を導く自由の女神」
http://www.cafua.com/products/detail522.html
吹奏楽マガジンBandPower 民衆を導く自由の女神(樽屋雅徳) ※現在サイト閉鎖
http://www.bandpower.net/soundpark/togashi_sp/00_history/29_liberty/01.htm