「吹奏楽の歴史」をまとめてみた

吹奏楽の歴史をまとめてみた

数多くの人が親しんでいる吹奏楽。その吹奏楽のルーツは何か知っていますか?

今回は、吹奏楽の歴史をまとめてみました。

吹奏楽の定義は?

まず、「吹奏楽」という言葉の定義を確認します。

『新版吹奏楽講座』によれば、吹奏楽とは、「管楽器と打楽器のみの合奏、すなわち弦のないオーケストラである」と規定される。
「吹奏楽」という日本語は、ドイツ語のブラースムジーク Blasmusik (Blasは「吹く」の意)からの訳語とも考えられており、…(後略)

引用元:Wikipedia

吹奏楽部を「ブラバン」と言う人がいますが、「ブラスバンド」は本来、金管楽器と打楽器で編成されるバンドのことなので、ブラバン=吹奏楽ではありません

世界の吹奏楽の歴史

それでは、世界の吹奏楽の歴史を見ていきましょう。

古くから親しまれてきた管楽器

管楽器の歴史は古代エジプトまでさかのぼります。

当時の壁画にラッパを演奏する様子が描かれていたり、直管型のラッパが出土しています。

 

古代ローマでも、現在の金管楽器の元となるような様々な楽器が作られ、演奏されていました。

この当時の音楽=軍隊で使用される軍楽であり、重要な儀式の際や合戦の士気を高める役割だったそうです。

吹奏楽のルーツが誕生

11世紀初頭のヨーロッパで、吹奏楽のルーツが誕生したと言われています。

1095年のクレルモン教会会議以降、ヨーロッパのキリスト教世界は数次にわたってイスラーム世界に十字軍を派遣したが、ここで彼らはトルコ人の軍楽と遭遇する。これが、こんにちの吹奏楽の起源といわれている[11]。

引用元:Wikipedia

18世紀にはオーボエ、クラリネット、バスーン、ホルンのみで構成される楽団が野外で演奏していたとされ、これが現在の吹奏楽合奏の先駆けと言われています。

その後、18世紀末には各種楽器の改良が進み、フルート、トランペット、トロンボーなどが加わっていったそう。

管楽器メインの楽団は音量が大きいこと、移動して演奏するのに便利なことなどから野外で演奏される傾向にありました

軍国ための吹奏楽から、娯楽のための吹奏楽へ

さらなる管楽器の改良・開発が進んだのは18世紀後半~19世紀のヨーロッパでのことです。

フランス革命を代表する資本主義革命で、軍楽隊は国家にとってよりなくてはならない存在となります。

そんな中工業技術が発達し、より安定したピッチで演奏できる鍵(けん)装置が導入されました。

アドルフ・サックスによるサクソフォンも開発されます。

 

長らく軍楽隊が演奏するための吹奏楽でしたが、19世紀初頭以降のイギリスでは一般人にも浸透していきます。

労働者階級の人々がブラスバンドを編成し、コンテストも開催されるように。

 

イギリスの影響を受けたアメリカでは、19世紀後半から20世紀にかけて吹奏楽が盛んになりました。

”文化の創造”として、吹奏楽は学校教育や社会人教育に積極的に取り入れられ、民間に広まりました。

100名規模のシンフォニック・バンド、各パートが原則1人のウインド・アンサンブルなど、様々な編成も誕生していきます。

第二次世界大戦後は吹奏楽の軍楽色は薄れていき、国のため・プロパガンダ的役割をする吹奏楽から、一般人自ら楽しむための吹奏楽となっていきました。

日本の吹奏楽の歴史

日本の吹奏楽の歴史は明治時代にまでさかのぼります。

外国の軍楽隊の影響を受けた日本

日本人が本格的な洋楽に初めて触れたのは、1853年の黒船襲来の時だと言われています。

日本での吹奏楽の始まりは、薩摩藩で作られた洋式軍楽隊

イギリス軍楽隊に影響を受けて編成されたため、日本の軍楽隊が初めて演奏した曲はイギリス国家だったとか。

 

その後、陸軍・海軍にそれぞれ軍楽隊が設置されます

日本初のレコード録音やラジオ放送も軍楽隊によるものだったそう。

日本独自の吹奏楽文化へ

日本の軍楽隊は長らく外国人講師によって指導されてきましたが、1890年代には日本人が指揮を執るようになり、海軍軍楽隊出身者からなる民間のプロ音楽隊も誕生します。

明治時代末にはアマチュアのバンドも結成されるようになり、大正時代になると学校音楽にも吹奏楽が取り入れられるようになります。

百貨店や遊園地では少年音楽隊の演奏もあり、一般市民に浸透していきます。

 

昭和時代に入ると全日本吹奏楽連盟が発足。コンクールや演奏会が各地で行われるようになります。

楽器の国産化が進んだこともあり、教育現場でも管楽器を調達しやすくなりました。

また、戦後には日本の吹奏楽文化をけん引していた軍楽隊が解散し、民間人のための吹奏楽という認識が一層広がっていきます。

アメリカなどから新しい指導法や吹奏楽曲が取り入れられ、吹奏楽は音楽教育の側面が強くなり、全国的に普及していきます。

平成以降、国民的番組で吹奏楽ブームに

2004年から放送された、「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」の「日本列島吹奏楽の旅」コーナー。

「吹奏楽の甲子園」普門館を目指す強豪高校も多数取り上げられ、吹奏楽の知名度が一気に高まりました。

このコーナーを見て吹奏楽部に入ったという人も多いのではないでしょうか。

2010年時点で全日本吹奏楽連盟に登録されている吹奏楽団体は、小学校~大学、職場・一般を合わせて14,000団体以上

多くの学校で最大の部員数を誇っています。

 

いかがでしたか?

はるか昔から、管楽器が演奏されていたのは驚きですよね。

今では日本の吹奏楽と言うと女子ばかりのイメージですが、始まりは軍楽隊だったため男性が多かったのも面白いです。

これからも、吹奏楽のある人生を楽しみましょう!!

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