吹奏楽の名曲、人気曲、吹奏楽コンクール課題曲編。
今回は、不動の人気を誇るロングヒット課題曲『風紋』 をご紹介します。
『風紋』はいつの課題曲?
作曲者は保科洋(Hiroshi Hoshina)、昭和62年度(1987年) 第35回全日本吹奏楽コンクールの課題曲Aです。
この年の、その他の課題曲は、
B『渚スコープ』(吉田峰明)
C『コンサートマーチ’87』(飯沼信義)
D『ムービング・オン』(川上哲夫)
E マーチ「ハロー! サンシャイン」(松尾善雄)
というラインナップです。
吹奏楽のヒットメーカー『風紋』の作曲者、保科洋さん
作曲者の保科洋さんは管弦楽、器楽、声楽においても作品がありますが、吹奏楽作品も多く、人気曲を多く生み出すヒットメーカーとしても知られています。
『吹奏楽のためのカプリス』『交響的断章』『パストラーレ』『古祀』など歴代の吹奏楽コンクールの自由曲で多く取り上げられた名曲で知られています。また最近では『復興』が吹奏楽コンクールで多く演奏されています。
課題曲は『風紋』以外にも3曲。
・カンティレーナ(1976年)
・アルビレオ(1998年)
・インテルメッツォ (2017年)
しかも1970年代、80年代、90年代、2000年代とコンスタント。長い間吹奏楽界で愛されている証拠ですね。
『風紋』はどんな曲?
風紋、と聞くと、文学作品を思い浮かべるかたもいるかもしれませんが、作曲者の保科洋さんによれば、「特別な意味はない」ということです。
ちなみにこの『風紋』は課題曲で発表されたもの以外に、原典版の風紋が後年発表されており、前者の演奏時間が5分程度なのに対し、後者は7分程度となっています。
この原典版は、吹奏楽コンクール自由曲としても演奏されることもあり、『風紋』は吹奏楽コンクール課題曲でもあり、自由曲でもあるというユニークな曲です。
『風紋』は、冒頭は静かな始まり。
低音楽器の前奏の後、メロディー(主題)が、クラリネット、オーボエ、アルトサックスによって奏でられます。
この冒頭部分は、ユニゾンの音程は当然のこと、全員でしっかりと長いフレーズ感を保って演奏できるかがとても重要です。
このメロディーに対して、金管楽器のファンファーレが奏でられ、このパターンが2度繰り返されるとテンポアップ。
その後、冒頭の木管の主題と、金管のファンファーレが絡み合いながら展開していきます。
後半部では、いきなり静かでゆったりとした場面を迎えますが、その後再度テンポアップし、クライマックスを迎えます。
保科洋さん指揮、強豪校の『風紋』原典版~YOUTUBEで聴ける音源~
『風紋』は1987年とかなり昔の課題曲ではありますが、現在でも多く演奏されていることもあり、ネットでもたくさんの音源を見つけることができます。
一番のオススメは、常総学院高校×保科洋さん指揮の『風紋』。
作曲者ご本人の指揮、かつ、強豪校常総学院高校の演奏は、荘厳でスケールの大きな名演です。
次に、日本を代表するプロ吹奏楽団、大阪市音楽団の演奏です。
テンポはややゆっくり、味のある大人の演奏です。
最後に、コンクール参考音源、原典版ではなく、課題曲版の『風紋』です。
『風紋』の音源・CDはどこで手に入る?
大阪市音楽団が保科洋さんの作品集、その名も『風紋』を出しています。 『古祀 』『パストラーレ』なども収録されており、オススメです。
また、シエナウインド×佐渡裕の演奏は、amazonならデジタルデータで手に入ります。
『風紋』の楽譜はどこで手に入る?
『風紋』原典版の楽譜はレンタル楽譜で、保科さんのサイトで注文できるようです。
そんなわけで、『風紋』を紹介いたしました。
吹奏楽コンクール自由曲としても、演奏会の曲目としてもオススメですので、是非演奏してみてくださいね!
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