『パガニーニの主題による幻想変奏曲』~アンサンブルが光る大曲~

『パガニーニの主題による幻想変奏曲』~各楽器のアンサンブルが光るバーンズの大曲~

今回は『パガニーニの主題による幻想変奏曲(Fantasy Variations)』です。

作曲者はジェイムズ・チャールズ・バーンズ(James Charles Barnes)。もはや説明不要な吹奏楽界の巨匠ですね。

『交響的序曲(Symphonic Overture)』、『アパラチアン序曲 (Appalachian Overture)』、『アルヴァマー序曲 (Alvamar Overture)』などの名曲で知られます。

そのバーンズの名曲の中でも「大曲」と言えるのが、『パガニーニの主題による幻想変奏曲(Fantasy Variations)』です。

『パガニーニの主題による幻想変奏曲』はどんな曲?

この曲は、題名の通り、ニコロ・パガニーニの「24の奇想曲 Op.1」第24曲「主題と変奏」の主題、メロディを用いた変奏曲です。

クラシック界でも、リストやラフマニノフが同様の主題を元に曲を書いていることでも知られています。

『パガニーニの主題による幻想変奏曲』の特徴はなんといっても「各楽器によるアンサンブル」でしょう。

テュッティ部分も非常に壮大ですが、各楽器によるアンサンブルが最大の見どころです。そして、ダブルリードや低音楽器などマニアックな楽器もフィーチャーされます。

吹奏楽を知らない方でも、この1曲を聴けば、大方の楽器の響きに触れることができます。

各パートのソロやアンサンブルによる「変奏曲リレー」

冒頭、パガニーニの主題で開始、オーボエがソロでこの主題を奏でます。その後バンド全体でテュッティでこの主題が演奏されます。そして、そこから各アンサンブルの演奏による「変奏曲リレー」が開始します。

クラリネットパート:クラリネットパート全員による、高速指回しによる変奏曲。裏メロをサックスが奏でます。

コントラアルトクラリネットソロ:木管最低音楽器によるソロ。中々単独では聴けないコントラアルトクラリネットの音は注目です。トロンボーンソロが裏でグリッサンド奏法で演奏します。

フルートパート:ピッコロとフルートパートによる変奏曲。高速指回しだけでなく、高速タンギングは注目どころ。

バリチューバパート:チューバ&ユーフォニウムによる変奏曲。チューバが吹奏楽でメロディーを吹くのも中々珍しい

ファゴットソリ&ホルンソロ:ファゴット2本によるソリ。伴奏はバスクラ&コントラバスクラ。ホルンのソロが加わります。

オーボエソロ&クラリネットパート:オーボエソロとクラリネットアンサンブルの掛け合い。

サックスパート:アルト、テナー、バリトン各サックスによるサックスアンサンブル。ロマンティックなサックスアンサンブルによる変奏曲は前半の山場

ここで、バスクラリネットをきっかけにテンポアップ、楽器が次々重なっていきます。

トランペットパート:トランペットパートがスピーディーかつ派手な変奏曲を演奏

トロンボンパート:テンポをやや落とし、トロンボーンパートへリレー。ソロも交えて変奏曲はさらに進みます。このトロンボーンソロのイメージは勇者登場(笑)

ホルンパート:ホルンパートのアンサンブル。ティンパニを中心とした打楽器も盛り上げます。ここの部分のイメージは魔王登場(笑)

その後、楽器が次々加わり、盛り上がりを見せたあと、前半部は終了

ユーフォニアム&アルトサックスソロ:テンポはゆっくりに。ユーフォニアムのソロによるメロディーと、アルトサックスのソロによる裏メロディーが奏でられます。

イングリッシュホルンソロ:曲は短調から長調に展開。この曲の聴きどころの一つ。イングリッシュホルンソロによるロマンティックなメロディーが奏でられます。まさにバーンズが長年愛される理由が凝縮されているようなステキなメロディーです。ソロにどんどん楽器が加わり、大きな盛り上がりを見せ、最後はファゴットのソロでこの中間部が静かに終わりを迎えます。

打楽器パート:中間部が終わったかと思いきや、間髪入れずに打楽器アンサンブルに突入。鍵盤楽器を合図にスピーディな後半部が開始します。

この後、フルート、ファゴットによりそのメロディーは引き継がれ、金管楽器がそれに加わります。そして、音楽は曲冒頭のテーマへ再度戻り、大きな盛り上がりとともにフィナーレへ。

各楽器のアンサンブルやソロを味わいながら、吹奏楽の重厚なサウンドも楽しめる2度おいしい曲とも言えます。

バーンズの大曲をネット音源で~YOUTUBEで聴ける音源~

東京佼成ウインドオーケストラの演奏、中々に迫力あります。

Project Brassによるライブ録音も迫力あります!

『パガニーニの主題による幻想変奏曲』の音源・CDはどこで手に入る?

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『パガニーニの主題による幻想変奏曲』の楽譜はどこで手に入る?

各出版社のほか、楽天市場でも購入することができます。

さて、そんなわけで、『パガニーニの主題による幻想変奏曲(Fantasy Variations)』を紹介しました。

ソロも特殊楽器も多く、中々やる機会に恵まれることの少ない曲かもしれませんが、チャンスがあればトライしてみてください!そしてこの曲を演奏会のプログラムに見かけたら、是非聴きに行ってみてくださいいね。

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2017.11.11

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