軽快なラテン系楽曲で高校野球応援でもおなじみの『コパカバーナ』。特に智辯和歌山高校の応援が有名ですね。
吹奏楽の演奏会でもよく使われる曲ですが、1978年にアメリカで生まれた原曲について知っている人はあまりいないのではないでしょうか?
今回は、陽気な曲調とは裏腹に、実は悲恋がテーマ?!の楽曲『コパカバーナ(Copacabana)』についてご紹介します。
『コパカバーナ』はどんな曲?
実在の地名「コパカバーナ」
ブラジルのリオデジャネイロにはコパカバーナというリゾート地があり、そこに広がるコパカバーナビーチは世界的に有名な海岸で、美しい景観が世界遺産にも登録されています。
ちなみに、隣接しているのは、同じく吹奏楽曲『イパネマの娘(Garota de Ipanema、英The Girl from Ipanema)』の舞台で知られるイパネマ海岸。
『コパカバーナ』はこのリゾートビーチをもとに作られた…と思いきや、曲の舞台になっているのは、その名前を冠した虚構のナイトクラブです。
原曲『コパカバーナ』と歌詞の内容
『コパカバーナ』の原曲は、1978年にアメリカの歌手・作曲家のバリー・マニロウ(Barry Manilow)が発表した楽曲『コパカバーナ(Copacabana (At The Copa)) 』。
ビルボード誌8位、グラミー賞も受賞したこの作品は、のちにミュージカル化もされています。
歌詞の内容を要約すると以下のようになります。
ナイトクラブ「コパカバーナ」で働くショーガールのローラと、バーテンダーのトニー。若い二人は恋に落ちる。
ある日、リコという危ない男性客がローラに目をつけ、呼び出して手を出す。怒ったトニーはバーから飛び出し、2人は殴り合いに。そして鳴り響く一発の銃声。
音楽と情熱のスポット、コパカバーナで、彼女は愛を失った。
30年後、若さもトニーも正気さえも失ったローラは、今はディスコとなったその場所でお酒を飲み酩酊している。
着古したドレスと色あせた羽根を身に着けて。
コパで恋をしてはいけない…
原曲はこのように、ローラの悲劇の恋が描かれた歌詞になっています。
ラテン系の明るい曲調からは想像できない、意外な物語ですよね。
『コパカバーナ』の高校野球応援での歴史
冒頭でも書いた通り、甲子園の『コパカバーナ』といえばまず名前が挙がるのが、強豪・智辯和歌山高校。
YOUTUBEで検索すると、智辯和歌山の演奏がいくつもヒットします。
甲子園常連の木更津総合高校も有名ですね。
他にも専大松戸や土浦日大、そしてもちろん日本一のブラスバンドを抱える習志野も。
千葉県は『コパカバーナ』の演奏率が高いですね。
拓大紅陵高校(こちらも千葉木更津!)の吹奏楽部のホームページによれば、同校は1986年から『コパカバーナ』を演奏しているとか!応援歌としてとても長い歴史を持っているんですね。
『コパカバーナ』の高校野球応援での演奏(テンポ・シーン・替え歌など)
まずは智辯和歌山の応援動画。爽やか&軽やかな演奏で、打楽器小物隊の音もよく聞こえてきます。
「カーニバル」の名称で演奏される拓大紅陵の迫力ある演奏。掛け声は、男子と女子の掛け合いになっているタイプ。
成田高校の『コパカバーナ』。曲をカットして掛け声を入れる高校が多い中、切れ目なく曲を演奏しています。
『コパカバーナ』の掛け声
アレンジ、掛け声の入るタイミングなど学校によって様々で、聞き比べるのも楽しいです。一部をご紹介します。
智弁和歌山:「かっとばせー!〇〇(選手名)!〇〇!〇〇!」
専大松戸:「ゴー!いけいけ!ゴー!いけいけ!かっとばせー!〇〇(選手名)!」
拓大紅陵、習志野:「ゴーゴーレッツゴーレッツゴー〇〇(選手名)!×3」
野球応援用『コパカバーナ』の音源・CDはどこで手に入る?
東京佼成ウインドオーケストラの演奏する、ニュー・サウンズ・イン・ブラスのベストアルバム。
コパカバーナの他に、『アフリカン・シンフォニー(African Symphony) 』や『ベイ・ブリーズ(Bay Breeze)』、『宝島』などの有名曲が収録されていますが、それに混じって『ボイジャー』や『マジック』など1980年代の楽曲も混じっていて、飽きの来ないアルバムです。
今は絶版となっているウィンズスコア発のアルバム、「ウィンスコセレクト」シリーズの第5弾です。
演奏は龍谷大学学友会学術文化局吹奏楽部。
珍しくラテン系楽曲を集めたアルバムで、聴いていてとても楽しい1枚です。
また、曲単位で『コパカバーナ』のみをMP3で購入・ダウンロードすることもできます。
『コパカバーナ』は吹奏楽でもとても有名な曲ですが、意外にも吹奏楽のCD・アルバムにはあまり選曲されていない模様。
もしCDでの参考音源が欲しい場合は、参考音源CD付きの吹奏楽譜を購入するのがおすすめです。
原曲の雰囲気を味わいたい方、バリー・マニロウの曲をもっと聴きたい方はこちらを。
『The Best of Barry Manilow Music And Passion』
バリー・マニロウの代表曲である『哀しみのマンディ(Mandy)』『歌の贈り物(I Write the Songs)』も入っています。
高校野球応援用『コパカバーナ』の楽譜はどこで手に入る?
各出版社のほか、Amazonや楽天市場でも購入することができます。
コストを抑えるならミュージックエイト版、コンサートピースであれば岩井直溥編曲版などが演奏効果が高いと思います。
原曲はなんだか少し悲しいストーリーを含んでいる『コパカバーナ』ですが、高校野球の応援曲として球場を盛り上げる楽曲であることは間違いありません。今後もこの軽やかなラテンのメロディーと迫力ある掛け声が甲子園や予選会場に響くことを願います。
▼高校野球応援曲、人気曲一覧はコチラ↓↓