『カンタベリー・コラール』~荘厳な大聖堂にインスピレーションを得た吹奏楽曲~

吹奏楽の名曲シリーズ。

今回は、ヤン・ヴァンデルロースト作曲の『カンタベリー・コラール(Canterbury Chorale)』をご紹介します。

『カンタベリー・コラール』はどんな曲?

作品概要

タイトル:カンタベリー・コラール(Canterbury Chorale)

作曲家:ヤン・ヴァンデルロースト(Jan Van der Roost)

演奏時間:約6分半

グレード:4

出版:デ・ハスケ(de Haske)

ヴァンデルローストの名曲のひとつ

ベルギーの作曲家ヤン・ヴァンデルローストは、現代の吹奏楽界を担う世界的作曲家。

日本の音楽大学の客演教授を務めたり、客演指揮としてプロ吹奏楽団とコラボするなど、日本との交流も多く、人気も非常に高いです。

このブログでもすでに様々な楽曲を取り上げています。

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『カンタベリー・コラール』は、ベルギーの金管バンドであるブラスバンド・ミデン・ブラバントの委嘱で、1990年に作曲された楽曲です。

もともとブラスバンド用に作られた曲で、その後、作曲者本人によって吹奏楽版に編曲されました

カンタベリー大聖堂を訪問した体験がもとに

この曲は、ヴァンデルローストがカンタベリー大聖堂を訪れた際に、その圧倒的な建造美にインスパイアされて作ったものです。

カンタベリー大聖堂は、イギリスのイングランド南東部ケント州のカンタベリーという街にある大聖堂。

イギリス国教会の総本山であり、英国屈指の巡礼地として、またユネスコ世界遺産にも登録されている観光地として、世界中からたくさんの人が訪れています。

高い天井に繊細な彫刻、あちらこちらに飾られた美しいステンドグラスなどが特徴です。

「コラール」とは讃美歌のこと。

荘厳で神聖な雰囲気を讃美歌のごとく表現したのが、楽曲『カンタベリー・コラール』なのですね。

『カンタベリー・コラール』、曲の流れとポイントは?

曲の雰囲気は終始、教会音楽らしい神聖さと穏やかさを保っています。

冒頭は、木管により、ゆったりと優しい旋律が歌われます。

イングリッシュホルンの深みのある音色が特徴的です。

繰り返しでフルートが加わり、透明感を増すメロディー。

終わると、サックスのかけあいです。

続くホルンとユーフォニアムのかけあいは、金管の温かい音色。

フルートとクラ、ソプラノサックスとサックスのかけあいソリ。

トロンボーンが朗々と歌うと、曲は盛り上がっていきます。

全体で上昇しながらクレッシェンドをかけ、2分音符でハーモニーを作ると曲は再び落ち着きます。

オーボエ、ホルン&ボーン、ユーフォと、ラストへ向かうソロ・ソリが続き、

最後にチャイムが鳴って、金管が静かにゆっくりと消えていき、余韻を残して終曲します。

パーカッションは、ティンパニ、グロッケン、サスペンドシンバルという構成で、出番も多くはありませんが、

最後の2音しかないチャイムが重要なパートになっています。

『カンタベリー・コラール』~YOUTUBEで聴ける音源~

Brasso

吹奏楽のVRアプリをリリースしたBrasso。

演奏の質の高さは申し分なく、さらに映画のようなカメラワークでソロ奏者もしっかり映り、臨場感のある演奏動画です。

近畿大学吹奏楽部 (客演指揮者:ヤン・ヴァン・デル・ロースト)

ヴァンデルロースト自身が客演指揮をしています。

指揮者・奏者ともに、作曲者の求める表現を研究できる動画です。

『カンタベリー・コラール』の音源・CDはどこで手に入る?

交響詩スパルタクス

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ヴァンデルローストが自作曲を指揮した、大阪市音楽団の演奏。2002年の発売です。

大阪市音楽団の素晴らしい演奏がお手本になるのはもちろんのこと、

作曲者本人の指揮した演奏を聴くことで楽曲の理解も深まります。

■収録曲
序曲「ポンテ・ロマーノ」
プスタ~4つのロマの舞曲
交響詩「モンタニャールの詩」
アマゾニア
カンタベリー・コラール
交響詩「スパルタクス」
マーチ「アルセナール」

また、「クレセント・ムーン – オオサカン・ライブ・コレクション Vol.13」というCDでは、2012年、2回目のヴァンデルローストと大阪市音楽団の演奏を聴くことができます。

『カンタベリー・コラール』と『交響詩「スパルタクス」』の2曲はどちらのCDにも収録されていて、その他の選曲は異なっているので、ヴァンデルローストの他の曲をプログラムに検討している場合などにもチェックしてみてくださいね。

ブリッツ・ブラス Vol.2

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若手プロ奏者が集まったブリッツフィルハーモニックウインズ、2枚目のCDです。

『カンタベリー・コラール』のほか、リードの『オセロ』、1994年課題曲の「饗応婦人」など、意欲的な選曲。

スピード感と熱量たっぷりの『ドラゴンの年』も必聴です。

■収録曲
1. ドラゴンの年:I. トッカータ [フィリップ・スパーク]
2. ドラゴンの年:II. 間奏曲
3. ドラゴンの年:III. フィナーレ
4. 饗応婦人~太宰治作「饗応婦人」のための音楽~(オリジナル版)[田村文生] 
5. カンタベリー・コラール [ヤン・ファンデルロースト]
6. シンフォニック・オーヴァーチュア [ジェームズ・バーンズ]
7. オセロ:I. 前奏曲(ヴェニス) [アルフレッド・リード]
8. オセロ:II. 朝の音楽(ギブロス)
9. オセロ:III. オセロとデスデモーナ
10.オセロ:IV. 廷臣たちの入場
11.オセロ:V. デスデモーナの死/終曲

『カンタベリー・コラール』の楽譜はどこで手に入る?

各出版社のほか、Amazonや楽天市場でも購入することができます。

 

アップテンポで超絶技巧が求められるような難曲のある一方で、『カンタベリー・コラール』のようなゆったりとした音数が少ない曲も技量が試されます。

実力派バンドにこそぜひ取り組んでほしい一曲です。

 

参考URL:

橋本音源堂  カンタベリー・コラール
http://h-ongendo1964annex.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-333353.html

 

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