吹奏楽の名曲シリーズ。
今回は、ジェームズ・L・ホゼイ作曲の『コロニアル・コラージュ(A Colonial Collage)』をご紹介します。
『コロニアル・コラージュ』はどんな曲?
作品概要
タイトル:コロニアル・コラージュ(A Colonial Collage)
作曲家:ジェームズ・L・ホゼイ(James L. Hosay)
演奏時間:約6分
グレード:3
出版:カーナウ・ミュージック(Curnow Music)
ジェームズ・L・ホゼイってどんな人?
ジェームズ・L・ホゼイはアメリカの作曲家です。
高校卒業後、トランペット奏者としてアメリカ陸軍に入隊し、copyst(採譜や写譜、スコアの編集などをする仕事)として働きながら、作曲のスキルを学びました。
日本での知名度はそれほど高くないようですが、心を打つ感動的なメロディーが登場する、素敵な吹奏楽曲を生み出しています。
2000年代には、全日本吹奏楽コンクールの自由曲として、この『コロニアル・コラージュ』や『ひとつの声に導かれる時』、『ペルシス』などがよく演奏されていました。
植民地時代のアメリカの生活と文化
タイトルを直訳すると、コロニアル=「植民地の」、コラージュ=「糊で貼りつける」。
つまり、植民地時代のアメリカの様子をコラージュするように表現したのがこの楽曲です。
マーチの形式をとったこの楽曲の中には、鼓笛音楽、カントリー ダンス、神聖な賛美歌という3つの音楽スタイルが織り込まれています。
『コロニアル・コラージュ』、曲の流れとポイントは?
シンバルの一打で曲が幕を開け、木管とグロッケンのきらきらした前奏が始まります。
かっこいい低音をバックに、トランペットがメロディーを吹きます。
4小節のスネアソロにつづき、ピッコロの可愛らしいソロが4小節奏されます。
木管のメロディーに金管も加わっていきます。
金管にスポットライトが当たり、トランペット、ホルン、ユーフォ、トロンボーンが次々と重なっていきます。
8小節にわたるパーカッションのソリ。
短いブリッジを経て、チャイムがポーンと鳴ると、中間部へ。
木管によるあたたかいメロディー。そこに金管とチャイムが合流すると、讃美歌らしい神聖な雰囲気が高まります。
やさしい旋律は次第に厚みを増していき、最高潮に達すると、ダブルスネアのソリ。
前半のテーマが繰り返されたあとは、木管の細やかなオブリガートに乗せて、金管が伸びやかにメロディーを演奏します。
晴れやかで雄大なクライマックスを経て終曲します。
『コロニアル・コラージュ』~YOUTUBEで聴ける音源~
YOUTUBEでは、アマチュア団体の演奏がいくつかアップされています。日本の学校・団体の演奏はほとんどありませんが、中国や韓国の演奏が多かったです。
出典不明
動画に演奏団体は記されていませんでしたが、おそらく、後述するCDで『コロニアル・コラージュ』を演奏している「イースタン・イリノイ大学バンド」ではないかと思います。
参考音源が少ないので、こちらの動画は貴重ですね。
光陽小学校管楽部
韓国の小学校の、管学部の演奏。
テンポは遅めで粗もありますが、堂々とした良い演奏です。
私がこの動画で特に惹かれたのは、チャイム。
チャイムは他の打楽器とかけもちで演奏することが多いですが、この演奏ではチャイムの子はチャイムだけを演奏しています。
この子の演奏するチャイムはよく鳴っていて、讃美歌やクライマックスの部分もきれいに聴こえてきます。
2分10秒からのブリッジのチャイムの大事な一音、タイミングもばっちり決まっていて気持ちがいいー!
『コロニアル・コラージュ』の音源・CDはどこで手に入る?
Excursions
カーナウ・ミュージックから出版されているグレード2~3の楽曲を集めたCD。
筆者がネット上で探した限りでは、『コロニアル・コラージュ』が収録されているのはこのCDのみでした(17曲目)。
絶版のようで、Amazonでも中古品が高値で出品されているのみなので、YouTubeの演奏を参考にする方がいいかもしれませんね。
同じホゼイでも『ペルシス』であれば、ホゼイの作品集に加えて、名門校の演奏しているCDなどがいくつか見つかるのですが…。
■収録曲
1.Excursions [ ジェームズ・カーナウ ( James Curnow ) ]
2.Jambalaya Jamboree [ スティーヴン・ブラ ( Stephen Bulla ) ]
3.Ave Verum Corpus [ Mozart / arr. Timothy Johnson ]
4.The Road to Chancellosville [ ブライアン・キッド( Bryan Kidd )]
5.Granada Overture [ カーマイン・パストーレ ( Carmine Pastore ) ]
6.The Rising Storm [ ダグラス・コート ( Douglas Court) ]
7.Journey to a New World [ Court ]
8.Mondo Glissando [ マイク・ハンニケル ( Mike Hannickel ) ]
9.Overture Jubilosso [ メルビン・シェルトン ( Melvin Shelton )]
10.Night of Wonder [ Court ]
11.Swingin’ Yanks [ ジェイムズ・L・ホゼイ ( James L. Hosay ) ]
12.A Little Suite Praise [ ポール・カーナウ ( Paul Curnow ) ]
13.English Carol Fantasy [ Curnow ]
14.Snapshots [ Curnow ]
15.Fanfare Britanica [ Hosay ]
16.A Holly Jolly Holiday [ Stephen Bulla ]
17.A Colonial Collage [ Hosay ]
18.Rhapsody on a Welsh Folk Song [ Court ]
19.Canzone Antica [ Stephen Bulla ]
20.Stampede!!! [ Hannickel ]
21.Turkish March [ Beethoven / arr. Curnow ]
22.Christmas Party [ Curnow ]
演奏:イースタン・イリノイ大学&イースタン・ウィンド・シンフォニー
『コロニアル・コラージュ』の楽譜はどこで手に入る?
各出版社のほか、楽天市場でも購入することができます。
華やかな曲調が演奏会のオープニングにぴったりの『コロニアル・コラージュ』。
この記事がホゼイの楽曲やその魅力を知るきっかけになれば嬉しいです。
参考URL:
music room ジェームス L. ホセイ: コロニアル コラージュ: コンサート バンド
https://www.musicroom.com/james-l-hosay-a-colonial-collage-concert-band-cmp%200499–01–140
The Wind Repertory Project James Hosay
https://www.windrep.org/James_Hosay
fake planet James L.hosay
http://fake-planet.chokki.info/Hosay.htm