吹奏楽の名曲シリーズ。
今回は、保科洋さんの『復興(The Rebirth)』をご紹介します。
『復興』はどんな曲?
曲の長さは約9分。グレードは4~5となっています。
作曲は、第35回全日本吹奏楽コンクール(1987年)の課題曲『風紋』で有名な、保科洋さん。
吹奏楽作品だけでなく、管弦楽や声楽、編曲作品も多数あり、86歳の今(2022年)もご健在です。
『復興』は2009年、ヤマハ吹奏楽団の委嘱で、同楽団の結成50周年を記念して作曲されました。
タイトルの“The rebirth”【復興】とは、ヤマハ吹奏楽団がたどった50年の歴史に思いを馳せつつ、未来の更なる飛躍への期待をイメージして命名したものです。
引用:Hoshina Music Office「復興」
上記のように、ヤマハ吹奏楽団の委嘱曲として作られた『復興』ですが、2011年の東日本大震災以降にコンクール自由曲で盛んに演奏されるようになります。
多くの団体が、「日本が震災から復興するように」という希望や願いを込めてこの曲を選ぶようになったのですね。
こちらの記事には、保科先生が作曲家になった経緯や、音楽に対する想いなどが書かれています。
“保科洋 CD掲載インタビュー全文” フィルハーモニックウインズ浜松
私もこのインタビューを読んで、保科先生のお人柄に親しみを覚えるとともに、もっと先生の作品を知りたくなりました。
『復興』、楽曲のポイントは?
地鳴りを思わせるような、バスドラムの小さなロールから、静かな序奏が始まります。
クラリネットの奏でる旋律は少し陰鬱なイメージですが、この旋律が曲を通してのモチーフになっています。
その後、音楽は激しいアレグロに切り替わります。
速いパッセージの木管と、強烈な金管。
それに呼応するように挟まれるティンパニのソロが非常に目立ちます。
哀愁漂う中間部は、サックスが切々とソロを奏でます。
中間部が終わるとアレグロが繰り返されますが、テンポを落とした後は、あたたかなメロディーが生まれます。
希望を感じる感動的な音楽は、まさに「復興」というタイトルを象徴するかのよう。
クライマックスはさらにテンポを上げ、全体がダイナミックに動いて終曲します。
『復興』~YOUTUBEで聴ける音源~
ヤマハ吹奏楽団
委嘱元であるヤマハ吹奏楽団による、2020年11月末の演奏です。
コロナ一年目で演奏会も開催できないなか、このような形で演奏・収録していたのでしょうか。
特に終盤の8:28あたりから、明るくあたたかなメロディーを奏でる豊かな音色にグッときました。
玉名女子高等学校吹奏楽部
第60回全日本吹奏楽コンクール(2012年)の演奏です。
自由曲『復興』で見事金賞を受賞した玉名女子。
ダイナミックでパワフルな演奏。
『復興』の明るい後半部分が好きな私ですが、この玉名女子の演奏はアレグロ部分もとてもかっこよくて痺れます!
『復興』の音源・CDはどこで手に入る?
オオサカン・ライブ・コレクション Vol.14 『復興』
2013年4月に行われた、フィルハーモニック・ウインズ大阪の第14回定期演奏会のライブ音源。
保坂先生と、その盟友である兼田敏先生の作品で構成されています。
<収録曲>
1. 風紋/保科 洋
2.吹奏楽のための愁映/保科 洋
3.復興/保科 洋
4.カンティレーナ/保科 洋
5.吹奏楽のためのパッサカリア/兼田 敏
6.嗚呼!/兼田 敏
7.吹奏楽のための交響的変奏/兼田 敏
8.行進曲「飛翔」/兼田 敏
吹奏楽燦選/シンフォニア・ノビリッシマ
東京佼成ウインドオーケストラの「吹奏楽燦選」シリーズ第5弾。
バラエティ豊かな楽曲を、TKWOの演奏で堪能できます。
<収録曲>
1.シンフォニア・ノビリッシマ /R.ジェイガー
2.呪文と踊り / J.B.チャンス
3.イギリス民謡組曲 第1曲 行進曲 《日曜日には17歳》 / R.V.ウィリアムズ
4.イギリス民謡組曲 第2曲 間奏曲 《私の素敵な人》 / R.V.ウィリアムズ
5.イギリス民謡組曲 第3曲 行進曲 《サマセット地方の民謡》 / R.V.ウィリアムズ
6.行進曲《海の歌》 /R.V.ウィリアムズ
7.吹奏楽のための 《クロス・バイ マーチ》 / 三善 晃
8.シンフォニック・バンドのためのパッサカリア / 兼田 敏
9.セント・アンソニー・ヴァリエーションズ(原典版) / W.H.ヒル
10.復興 / 保科 洋
ボーナストラック
11.ブラジル / A.バローゾ/岩井直溥 編曲
12.宝島 / 和泉宏隆/真島俊夫 編曲
このほか、全日本吹奏楽コンクールの全国大会ライブ録音のCDで、各団体の『復興』を聴くことができますよ。
『復興』の楽譜はどこで手に入る?
保科洋先生の公式サイト「Hoshina Music Office」にて、レンタル楽譜として申し込むことができます。
緊迫感のある前半に感動的な後半と、構成はシンプルですが、しっかりした技術と高い表現力が求められる『復興』。
これからも素敵な演奏が生まれ続けることを期待しています。
参考URL:
HOSHINA MUSIC OFFICE - 復興
https://hoshina-music.com/works/compositions/windband-compositions/the_rebirth
吹カツ! - 保科洋の復興は震災から立ち直っていく希望を与えてくれる曲?
https://suikatu.com/hosinahirosi-the-rebirth-not-earthquake