精華女子高校『ワインダーク・シー』(16年)~吹奏楽コンクール伝説の名演~

精華女子高校『ワインダーク・シー』(16年)~吹奏楽コンクール伝説の名演~

吹奏楽コンクール伝説の名演シリーズ。

今回は2016年(第61回)全日本吹奏楽コンクール全国大会での、精華女子高校の自由曲、ジョン・マッキー(John Mackey)作曲、吹奏楽のための交響曲「ワインダーク・シー」(Wine-Dark Sea : Symphony for Band)です。

指揮は櫻内教昭先生

復活の精華女子!2016年全国大会に返り咲き

精華女子高校吹奏楽部については、このブログでも度々ご紹介していますが、女子校吹奏楽部の代表格であり、屈指の強豪校です。

全国大会に21回出場し、その半分の12回で金賞受賞(2017年コンクール終了時点更新)という実績を誇り90年代以降の吹奏楽シーンでトップを走り続けています。

そんな精華女子、そして吹奏楽界に大きな衝撃が走ったのが2015年。

それまで、精華女子を指導されていた藤重佳久先生が定年退職。その後同じ九州支部において、支部大会出場0回、前年はコンクール出場すらしていなかった活水高校を率いて、いきなり全国大会出場を果たします。

一方この年、精華女子は九州大会金賞でしたが、惜しくも代表になれず涙をのみます。

そもそも、代表になれなくとも、九州大会金賞だって凄いことだと吹奏楽民は知っています。

しかしながら、代表を逃した翌年の2016年に櫻内先生と、部員たちにかかったプレッシャーの大きさは想像に難くありません。

そんなプレッシャーを跳ね除け、櫻内教昭先生率いる新生精華女子高校吹奏楽部は、難曲を引っ提げ、全国大会返り咲き、そして金賞受賞を果たします。

活水高校での藤重先生の活躍はもちろん凄いことで称賛を浴びて当然ですが、この2016年の精華女子の全国大会返り咲きは、当事者のみなさんの心の中を想像すると、活水高校の偉業と同等に凄いことだと、思っています。

今回ご紹介するのは、そんな伝説の名演です!

新生精華女子のパワフルサウンド『ワインダーク・シー』(16年)

それでは、演奏をご紹介します!

吹奏楽コンクールではまだ多く演奏されていない『ワインダーク・シー』ですが同じ2016年の全国大会で都立片倉高校(銀賞)、東海大学菅生高校(銀賞)が演奏し、吹奏楽民の間では話題の1曲となりました。

精華女子と言えば、『華麗なる舞曲』『フェスティヴァル・ヴァリエーション』『ルイ・ブルジョアの讚美歌による変奏曲』といったCTスミス楽曲のパワフルな演奏で有名です。

『ワインダーク・シー』も、ホルンやトランペットを中心に金管の圧倒的なパワーが要求される曲ですが一方で、ある意味メロディアスでわかりやすいCTスミス楽曲と異なり、難解なフレーズやリズムが多く含まれる難曲でもあります。

さて、2016年の精華女子の演奏ですが、まず冒頭の「精華サウンド」の代名詞ともいうべき、ホルンのユニゾンで鳥肌(笑)

そして、スネアを中心としたパーカッションのリズムの正確さ、メリハリ、ダイナミクス。この曲の肝ともいえるパーカッションパートが見事にバンドをリードしています。

中間部では、ソリストのレベルの高さは言うまでもなく、女子高ならではの繊細さが随所に見られます。

そして、怒涛の後半。

木管・金管共に、難易度の高いフレーズが次々に押し寄せますが、それを一つずつ確実に制圧していきます(笑)

トランペットのメロディーはブラボーの一言。

終わりが近づくにつれ、スピードもパワーも全く衰えるどころか、どんどん増していき、凄まじいクレッシェンドで終曲を迎えます。

個人的には、以前通りの精華女子のパワフルで正確なサウンドに、さらに技巧・丁寧さが加わった素晴らしい名演だと感じます。

精華女子高校の演奏CD・DVDはどこで手に入る?

今回ご紹介した演奏は、以下の全国大会のCDに収録されています。

また、精華女子の「ブラバン少女シリーズ」は、吹奏楽界を越えて話題になりましたね。藤重先生時代の名曲、名演が多数収録されています。

ということで、精華女子高校『ワインダーク・シー』(16年)をご紹介いたしました。

精華女子高校の名演は挙げればキリがありませんので、これからもこのブログでたくさんご紹介できればと思っています(・∀・)!

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2018.02.03

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