今回は、吹奏楽オリジナル曲の中で、その難易度でも知られる『ルイ・ブルジョワの賛歌による変奏曲(Variations on a Hymn by Louis Bourgeois)』をご紹介します。
『ルイ・ブルジョワの賛歌による変奏曲』はどんな曲?
作曲者はクロード・トーマス・スミス(Claude Thomas Smith)。
このブログでもご紹介している『華麗なる舞曲』『フェスティバルバリエーション』などでも知られる、吹奏楽界のヒットメーカーかつ屈指の「難曲メーカー」でもあります(笑)
どちらかといえば、前述の2曲の方が有名で、『ルイ・ブルジョワの賛歌による変奏曲』は三番手といった印象ですが、個人的にはC.Tスミスの中で一番の名曲だと思っています。
題名の通り、礼拝の際に唄われる賛歌をモチーフにした変奏曲で、曲名から「穏やかな曲?」と思いきや、全セクションに高い技術が必要とされる超難曲です。
『ルイ・ブルジョワの賛歌による変奏曲』の難しさのポイントとは!?
『華麗なる舞曲』の紹介の際にも書きましたが、C.Tスミスの曲は、金管(特にホルン・トランペット)にはハイトーンを、木管には高速パッセージを求める傾向にあります。
この曲は特にトランペットパートに対し、複数のソロを含む重要かつ重大な任務が課される曲です。
華麗なる舞曲と同様、曲冒頭から金管はパワー全開、木管は指回し&タンギング全開。冒頭の密かなポイントは、タカタターンで伸ばすロングトーンの音程。パワーだけでいくと、ここで下手なのがバレます。冒頭スピーディーな展開の後、テンポが落ちて、きれいなコラールが奏でられます。このコラール、この曲全体のテーマとなるメロディで、曲名通りこのメロディーが「変奏」されていきます。
その後、ホルンソロきっかけで、オーボエの美しく長いソロが始まります。そして、そのメロディーは木管のテュッティに受け渡されます。そしてここの裏メロディーがすばらしく美しく素晴らしいです。
その後、一度スピードアップ、トロンボーン、ホルンが酷使(笑)された後、バンド全体のテュッティでオーボエソロと同じメロディーが繰り返されます。
そして、冒頭と同じメロディーが再度。ホルンの裏メロが加わって、盛り上がり「あ?そろそろ曲も終わりに近づいているのかな?」と一瞬思うも、本当の山場はここから、トランペットソロ2人よるソロの追いかけ合いがはじまります。すなわち、バンドに最低限2人のトランペットの「スタープレイヤー」がいないと成り立たない曲です(笑)
長い山場が終わると終曲部へ。再度、冒頭のテーマ。ホルンはフルパワーで裏メロを演奏です。そして、最後の最後までホルン&トランペットは酷使されます(笑)最後のホルンとトランペットのハイトーンが決まれば、あとはブラボーを待つのみ。
そんな難曲を演奏している高校生達がいる!?~YOUTUBEで聴ける音源~
※精華女子は、2012年にも同曲で全国大会金賞を受賞
WISH Wind Orcestraによるライブ映像もあります!
『ルイ・ブルジョワの賛歌による変奏曲』の音源・CDはどこで手に入る?
東京佼成ウインドオーケストラの「華麗なる舞曲」というアルバムに収録されており、amazonと楽天で購入可能です!
精華女子高校吹奏楽部もアマチュアかつ高校生ながらCDを出しており、代表曲の一つで『ルイ・ブルジョワの賛歌による変奏曲』も収録されています!
『ルイ・ブルジョワの賛歌による変奏曲』の楽譜はどこで手に入る?
ブレーンなど各出版社のほか、楽天市場でも購入することができます。
さて、そんなわけで、『ルイ・ブルジョワの賛歌による変奏曲』を紹介してきました。高いテクニックと歌の両方が要求される難曲に是非チャレンジしてみてください。
※『ルイ・ブルジョワの賛歌による変奏曲』もランクイン!吹奏楽名曲ランキングベスト10も是非ご覧ください(・∀・)!