中高生はもちろん、大人が趣味で始める楽器としてもとても人気のあるサックス(サキソフォン)。
ソプラノサックス、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックスと様々な音域を担当する楽器が存在し、まさに吹奏楽の花形ともいえる楽器です。
サックスについてよく耳にする話。
「サックスは同じリード楽器の、クラリネットに比べて音を出すのが簡単」
「サックスは現代になって作られた、構造的にも合理的で簡単な楽器」
などなど、比較的簡単なのでは!?という意見も多々。
「大人になって楽器をはじめるならサックス」なんて話もよく聞きますし、実際に大人の音楽教室でも人気ですよね。
ということで、今回は楽器を全くやっていない、あるいは楽器経験者だけどサックスを始めたいという方へ向けて。
サックスは本当に簡単なのか!?
管理人はクラリネットがメイン担当楽器なので、学生時代には嫉妬まじりに「リードミスもしにくいし、リコーダーと同じ運指で、指回しもクラリネットより簡単」なんて思っていました。
そんな筆者は密かに憧れていたサックスを社会人になってから開始。
「サックスは本当に簡単なのか!?」という疑問に自ら挑んでみました。
ということで・・・
まず最初に結論を言ってしまうと、
「サックスは最初は簡単、途中から難しい」
という風に思っています。
サックスが簡単と言われる理由
まず「音を出すのが簡単」これは正しいと言っていいと思います。
私は同じリード楽器奏者だった、というのはありますが、例えば金管楽器奏者に、クラリネットを吹いてもらって、いきなりしっかりと音を出せる人が少ないのに対して、サックスはほぼ全ての人が音を出すことができます。
そういう意味では、とっつきやすさはありますし「入りは簡単」と思ってもよいかもしれませんし、大人が始める楽器として選ばれるのも納得です。
そして、指。これも確かに運指はリコーダーと同じですし、クラリネットやオーボエなどと異なり、「指で直接」穴をふさぐ必要がありませんので、ミスは格段に少なく、これも他の木管楽器に比べれば「簡単」と言えるかもしれません。
なので、「とりあえず人前で曲を吹けるようになる」という目標なら、他のどの楽器よりも早く到達できるのではないか思います。
サックスを吹き始めてぶつかる壁
しかし、、すぐに壁にぶつかります。ここがサックスという楽器の奥の深さ。
音が出しやすい、これは裏返すと「自由度の高さ」だったりします。
まずサックスは、アンブシュア(口の形)が非常に難しい。「クラリネットは音が出にくい」と書きましたが、つまりは正解の幅が狭いので一度音が出てしまえばその方向性で進めば良し。
サックスは簡単に音が出てしまうだけに、どのアンブシュアが本当に正解なのかがわかりづらい。
また、クラリネットの音が出にくいのは「楽器の抵抗」のせいだったりしますので、音が出てしまうと、安定はしやすい。
「まっすぐ息を入れて吹く」というすべてのベースとなることは、サックスに比べると圧倒的に簡単です。
サックスは「楽器の抵抗」が小さいので、音を安定させるには、アンブシュア+お腹がめちゃくちゃ重要になります。
アンブシュアとお腹という二つの自由度の高い要素を組み合わせていかなければいけないので、これはとても難しい。笑
学生時代に「サックスパートって音程わるいよなあ・・・」なんて思うことがよくありましたが、音程を安定させることも、クラリネットに比べるととても難しいんだなということが、やってみてよくわかりました。
最後に、サックスの音域の狭さ。プロのサックス奏者はアルトサックスでめちゃくちゃ高い音を吹いていたりしますが、これは実は運指にはなく本来出ない音。
音域の狭さを補うには高等技術の一つとされる「フラジオ」という奏法を使う必要があり、これを習得するのは相当に長い道のりとなります。
さて、そんなわけで、「最初簡単、途中から難しい」サックスですが
とっつきやすい、ということはとても魅力的ですし、突き詰めがいもめちゃくちゃあります。
クラシック、ポップス、ジャズ、ロックと様々なジャンルで活躍できるのも嬉しいですよね。
といことで、大人になってからサックスを始めたい方、結論は超オススメ!です!