吹奏楽の名曲、人気曲、吹奏楽コンクール課題曲編。今回は『さくらのうた』 をご紹介します。
『さくらのうた』はいつの課題曲?
作曲者は福田洋介(Yosuke Fukuda)、平成24年度(2012年) 第60回 全日本吹奏楽コンクールの課題曲Ⅰ、第22回朝日作曲賞受賞曲です。
この年のその他の課題曲は、
Ⅱ 『よろこびへ歩きだせ』(土井康司)
Ⅲ 吹奏楽のための綺想曲「じゅげむ」(足立正)
Ⅳ 行進曲「希望の空」(和田信)
Ⅴ 『香り立つ刹那』(長生淳)
というラインナップです。
『さくらのうた』は現在でも演奏会で多く取り上げられる人気曲ですが、当時のコンクールで演奏する団体は少なかった珍しい曲でもあります。
全国大会の高校の部において『さくらのうた』を演奏した学校は習志野高校ただ1校です。
課題曲には珍しい、終始ゆったりとしたテンポ。そして親しみやすいメロディーとわかりやすいハーモニーだけに、ごまかしがきかず、バンドの基礎力が大きく問われる曲だという点が、この現象を引き起こしたと考えられます。
作曲者の福田洋介さんといえば、2004年の課題曲Ⅰ吹奏楽のための「風之舞」でも有名ですね。
吹奏楽のための「風之舞」も、非常に人気のある課題曲です。
『さくらのうた』はどんな曲?
この曲は、日本の象徴の一つでもある「桜」がテーマで、様々な想像をかきたてる曲です。
2011年12月の全日本吹奏楽連盟会報「すいそうがく」No.188 の福田さん本人の楽曲解説によれば
~引用~
サクラを愛でながら思いを馳せるその心が、人によってまったく違うのと同じように、音楽のしなやかな変化を信じて、自分達だけの「さくらのうた」を演じていただけたら嬉しいです。
~引用終わり~
とあり、演奏者に大きな自由度を期待している曲でもあります。
また、私自身演奏会を聴きに行った際に、『さくらのうた』について、福田さんご本人の解説を聴く機会がありました。
2018年2月16日東京オペラシティでの東京佼成ウインドオーケストラの「課題曲コンサート2018~往年の名曲とともに~」 にで、『さくらのうた』が演奏された際に、舞台上で、指揮者の大井さんと作曲者福田さんのトークが繰り広げられました。
その中で、福田さんご自身が桜の散る4月生まれだそうで、桜の華やかさだけでなく、儚さも、表現したかったというお話をお伺いしました。
確かに、この曲はどこか「もの悲しく」も取れる、桜の華やかさ一辺倒の曲ではないなあと感じていましたが、ご本人のお話を聴いて納得がいくとともに、『さくらのうた』がさらに好きになりました。
この曲の冒頭は、ピッコロのソロからスタートし、その後にすぐトランペットのソロがあります。
この曲でトランペットはソロがその他にもありますが、ソロも含め、音色がとても大事になります。
それこそフリューゲルホルンのような柔らかい音色をイメージして演奏できるととてもよいと思います。
Bから始まるこの曲のメインテーマですが、「さくらのはなさくころに…」という歌詞を福田さんご自身でつけていたそうで、「うた」の心がとても大切な曲とも言えます。
この曲の主役は木管楽器といってよいと思いますが、メロディーのフレーズ感、ハーモニーのバランス、音程など、どれも難解なわけではなくシンプルなだけに、逆にとても難しい。
また、金管楽器も、やわらかい音色やアタックが要求され、パワーだけでは乗り切れません。
この曲ばかり練習していても、おそらくすぐに限界がきてしまいます。
基礎力の底上げのための基礎練習がとても大切になる、とてもやりがいのある曲だと思います。
高校の部唯一の習志野高校『さくらのうた』の名演~YOUTUBEで聴ける音源~
前述の通り、『さくらのうた』は人気曲にも関わらず、吹奏楽コンクールで演奏される機会は、その他の曲に比べると少ない曲でした。
高校の部の全国大会では、唯一1校。吹奏楽の超名門「習志野高校」です。
習志野高校の素晴らしさはこのブログでも何度も触れていますが、クラリネットパートを中心とした最強木管楽器に、パワー一辺倒でなく大人の演奏ができる金管・打楽器。
そんな習志野高校だからこそ、他の学校が避けた『さくらのうた』に真向勝負を挑むことができたのでしょう。
通常の参考音源の演奏もご紹介しておきます。
参考演奏なので、当然ですがクセのない演奏です。
これを聴くと、いかに習志野高校の演奏が「歌い込めているか」をあらためて感じることができます。
『さくらのうた』の音源・CDはどこで手に入る?
前述の習志野高校の演奏が2012年の吹奏楽コンクールの全国大会のCDに収録されています。
『さくらのうた』の楽譜はどこで手に入る?
演奏会で取り上げられる機会も多いため、改訂版が出版されており、10名から演奏できる譜面になっているとのこと!
各出版社のほか、Amazonや楽天市場でも購入することができます。
また、この『さくらのうた』はアンサンブルの譜面も発売されています。
クラリネット5重奏Verは演奏会で生で聴いたことがあるのですが、吹奏楽版に負けない素晴らしい曲でした!
そんなわけで『さくらのうた』をご紹介いたしました。
春の季節の演奏会には是非演奏したい名曲ですね(・∀・)!
※歴代課題曲ランキングベスト10も是非ご覧ください(・∀・)!
さくらのうた