今回は、吹奏楽映画のオススメ記事。
吹奏楽経験者の視点から選んだ吹奏楽映画を5作品ご紹介します!
『スウィングガールズ』
監督・脚本:矢口史靖
吹奏楽がテーマの映画と聞かれれば、真っ先に名前があがる『スウィングガールズ』。2004年に公開され、以降テレビでもたびたび放送されています。
舞台は東北の田舎にある高校。食中毒で入院となった吹奏楽部のピンチヒッターとして、まったく楽器経験のない落ちこぼれ女子高生たちがビッグバンドジャズを結成します。夏休みの補修をサボる口実にはじめた活動でしたが、楽器の楽しさやジャズの魅力に、少女たちは次第に夢中になっていきます。
何をするにもいい加減でお調子者の女子高生たちですが、音楽に対しては一生懸命。ラストシーンは、その上達ぶりに目を瞠ること間違いなしです。
監督は『スウィングガールズ』の3年前に『ウォーターボーイズ』を大ヒットさせた矢口史靖氏。
キャストには主演の上野樹里のほか、本仮屋ユイカ、貫地谷しほり、平岡祐太、高橋一生など、現在は主演級の女優・俳優が名を連ねます。脇をかためる俳優陣も、竹中直人、白石美帆、小日向文世、渡辺えり子、佐藤二朗、田中要次…と、とにかく豪華。
DVDのスペジャル・エディション版には特典映像として、7つのサイドストーリーも収録されています。さらなる特典がついたプレミアム・エディションも販売中。
『リズと青い鳥』
監督:山田尚子 脚本:吉田玲子 原作:武田綾乃
大人気シリーズの『響け!ユーフォニアム』のスピンオフ作品として2018年4月に公開されたアニメーション映画、『リズと青い鳥』。
ストーリーは原作小説の『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』が元となっているものの、それまでのシリーズを見ていない人でも楽しめる、独立した作品になっています。
主人公の内気な性格の鎧塚みぞれ(担当:オーボエ)と、社交的で明るい性格の傘木希美(担当:フルート)の、親友でありながら対照的な性格をもつ2人の関係性に焦点を当てています。
コンクール自由曲『リズと青い鳥』の第三楽章はフルートとオーボエのソロの掛け合いがありますが、2人の演奏が噛みあいません。みぞれは、中学からの親友である希美が自分から離れていくことが不安で仕方なく、一方で希美も、みぞれのオーボエの才能を密かにうらやみ、複雑な気持ちを抱えていて…。
美しい映像と音楽が、2人の繊細な心の機微を彩ります。
『ハルチカ』
脚本・監督:市井昌秀 脚本:山浦雅大 原作:初野晴
『ハルチカ』は、弱気で頼りない性格のハルタと、まっすぐで負けん気の強い性格のチカが、廃部寸前の吹奏楽部を舞台に成長していく青春部活映画。2017年春に公開されました。
高校では吹奏楽部に入ろうと決めていたチカですが、入学した高校の吹奏楽部は廃部の危機。入学式で再会した幼馴染のハルタとともに、部員集めに奔走します。ワケありメンバーたちを説得しなんとか部を再建、かつてプロの指揮者を目指していた顧問とともにコンクール出場を目指しますが、楽器未経験のチカは思うように演奏できず、失敗が続いて追い詰められていきます。
原作はシリーズもののミステリー小説ですが、この映画はオリジナルストーリーでミステリーの要素はなく、高校吹奏楽部の青春にスポットを当てた作品です。
橋本環奈、佐藤勝利(Sexy Zone)を主演に据えた若手俳優メインのキャストも話題になりました。
『ブラス!』
監督・脚本:マーク・ハーマン
『ブラス!(BLASSED OFF)』は、イングランドの閉鎖寸前の炭鉱の街を舞台にしたイギリス映画。イギリスでは1996年に公開されました。
炭鉱で働く炭鉱夫で構成されたブラスバンド「グリムリー・コリアリー・バンド」のメンバーが、炭鉱の閉鎖とそれぞれの生活の苦しさに直面しながらも、音楽を心の支えにブラスバンド選手権の優勝を目指すストーリーです。
音楽だけでなく、家族、友情、恋愛、お金、政治…など様々なテーマが内包されている作品。ラストの堂々たる演奏シーンは見どころです。
スターウォーズシリーズでも活躍するユアン・マクレガーが、主要キャストの1人を務めています。
『春が来れば』
監督:リュ・ジャンハ 脚本:ユン・ジェグン、イ・ウンギョン、チョン・ホドクチェ、リュ・ジャンハ
『春が来れば』(When Springs Comes / Springtime)は、2004年に韓国で公開された映画。
トランぺッターとして交響楽団のメンバー入りを夢見る主人公のヒョヌ。恋人との別れを機に心機一転、田舎の中学校へ吹奏楽部の顧問として出向くことになります。
大きな事件は起こりませんが、吹奏楽部の生徒や街の人との触れ合いによって主人公が少しずつ前に進む力を取り戻す様子に、心が温まる映画です。
『春が来れば』と、1つ前に紹介した『ブラス!』はどちらも、とある超有名な曲がそれぞれの大事なシーンに使われています。これから2つの作品を観る方は、ぜひ答え合わせしてみてくださいね。
吹奏楽は作品によって、成長させてくれるものだったり、心の支えだったり、青春そのものだったりしますが、全ての作品に共通して言えるのは、吹奏楽を通して人と人とが交流し、絆を深めているということ。
吹奏楽の魅力を改めて発見できるきっかけになったらいいなと思います。